じっと待つことは、多かれ少なかれ気の重い営みです。決まり切ったことだけで構成された、無難で退屈で十年一日のような生活であったならば、予想外の不幸や困り事、おろおろさせられるような事態や困惑する状況と遭遇する確率は低いでしょう。おおむね結果は見当がついているような形でしか、「待つ」といった状況には立たされないでしょうから。それでも、家族が病気になって手術の結果を待つとか、空き家になっていた隣家に新しく引っ越してくる一家は善人なのか困った人たちなのか、実際に越してくるまで気を揉んで待つなんて事態もあり得ましょう。