情報を集めるためにさまざまなメールマガジンを受け取っている。恥ずかしい話だが、あまりの数がくるため、もはやどこに登録したかわからない状況になっている。そうした中に、派遣・アルバイト募集のメルマガがあった。
本文を読み進めると、パチンコが好きな年齢18歳以上なら誰でもできる仕事で、パチンコやパチスロの総回転数や大当たり回数などのデータを取る業務だと言う。どうやら、雑誌に掲載するために必要な情報らしい。
私は趣味程度にパチンコやパチスロをすることもあるので、興味を持ってメールに載っているアドレスをクリックすると、アルバイト募集のページが出てきた。面接に受かるかどうかはわからないが、不安定なライターとしての収入を補うアルバイトになるかもしれないと思い、住所、氏名、電話番号を書き込み、登録ボタンをクリックした。
「パチンコ屋の盛り上げ役です」
その夜8時頃に若い男性の声で電話がかかってきた。
「このたびは、アルバイトのご応募ありがとうございます。これからお仕事の紹介をするにあたって、いくつかの質問をさせていただきます」
電話面接だと思い「はい」と返事をした。
「まずはあなたのパチンコ・パチスロ歴と、現在の遊ぶ頻度をお聞きかせください」
「そうですね。パチンコ・パチスロとも20代の頃からやっていますから、かれこれ20年ほどになりますか。現在は月に4〜5回程度、特に休みの日を中心にしていますね」と私は答えた。
「そうですか。かなり昔からやっていらっしゃるのですね」
男はしばらく黙った後、
「パチンコ屋さんで回転数、大当たり回数などのデータを取るお仕事は、人数を締め切ってしまったので、多田さんには別のお仕事をご紹介したいと思います」
昨日メールを送ってきたばかりなのに、もう募集枠が埋まるとは、ずいぶんと人気のある仕事なのだろうか。
「今、若干名募集しているのは、『打ち子のアルバイト』です」
あまり聞き慣れない言葉だったので、「それはどんなお仕事ですか?」と尋ねた。