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第12章 番外編 「マズい求人広告」を、追ってみた

『おいしい話に、のってみた。』
[著]多田文明 [発行]扶桑社


読了目安時間:17分
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 職を探す際に、求人広告は私たちの重要な情報の要になるものだ。もしこうしたものに、ウソや騙しがあったら、どこへ相談に行けばよいのだろうか?

 すでに働き始めているのならば、労働相談として受け付けてもらえるが、働く前の状態になると、意外に相談できる場が限られてしまう。

 以前、求人広告で「幹部社員募集」を載せて、役員になるための費用を騙し取っていた詐欺犯らが逮捕されたことがあるが、こうしたあからさまなウソであれば、被害を訴えやすい。それに対して、求人募集に微妙にウソが含まれていたり、面接に行ってみたら、広告の表記と実際に働く内容がちょっと違う程度の場合、どうにも声をあげづらい。しかし放置しておけば、怪しげな求人広告を野放しにしてしまうことになる。そこで、私は求人募集を見て受けた面接で、「これってマズイ求人広告じゃないのか?」と思った内容を追ってみた。

「モデル・タレント募集」に応募する


 2年ほど前、私は求人サイトで「モデル・タレントを募集」という求人広告を見た。もらえる報酬は出演1回につき日給1万円以上になり、年齢は問わないという。この募集を載せているのは、A社という芸能事務所である。30代の頃、俳優をめざしたことがあり、昔とった杵柄で1万円ものお金をすぐにでも稼げるのならという思いから、これに応募してみた。

 一次審査の書類選考は、メールで自分の顔写真とプロフィールを書いて送るという実に簡単なもので、私はこれを突破した。そして後日、二次審査の面接(オーディション)を受けるため、事務所を訪れた。

 オーディション会場には20人ほどがおり、20代から私のような40代までと年齢層は幅広い。最初に女性スタッフから、仕事の内容についての説明を受けた。「当事務所では入所費・プロフィール代などの費用を一切頂きません」と告げられた。これまで悪質芸能事務所にたびたび騙されてきた私は、お金がかからず仕事ができると聞いて安心した。オーディション自体はわずか3分ほどで終了した。すべてを終えて、事務所を出ようとすると、女性スタッフから「家に着いたら、見てください」と封書を渡された。

 家に帰って封を開くと、オーディションに合格したあとには「仕事を補うためのレッスンを受けてもらう」とあるではないか。その費用は30万円ほどだ。

 私は「はあ!?」と声をあげた。女性スタッフの事前説明では、事務所への所属にあたり、お金は一切かからないはずではなかったか。面接に合格して喜ぶ応募者に、高額なレッスン費用を請求する。もしかすると、この事務所の目的はこれなのではないか。私はきな臭いにおいを嗅ぎとった。

 そこで、この事務所が出していると思われる、いくつかの求人広告の情報を調べてみた。そしてあることに気がついた。この事務所A社の名前が、求人広告によってAA社になっていたり、AB社だったりAC社だったりする。住所は、私が面接を受けたところと同じなので、同じ会社であることはまず間違いない。なぜ会社名をこんなにコロコロ変えているのか。
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