「宗教」の本来の意味
「宗教」という言葉は、英語で「ルリジオンreligion」の訳であるが、その言葉はラテン語のreligareから来た言葉で「結びつける」とか「しばりつける」という意味がある。その結びつける中心には、一つの神、特定の教祖、教典、宣教師たちがいることを想定している。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教にはそれがある。または仏教には釈迦の存在がその中心であることは周知のとおりである。
しかしこのような定義でいくと、「宗教」が排他的にならざるを得ないことも確かである。その特定の神を信じない者は異教徒である。異教徒は殺してもいい、と極端に走ることさえある。また信徒を「結びつける」ためには、その「宗教」の優越性を信じさせなければならない。
古くは反イスラムのキリスト教十字軍が、現在でも、しばしば非イスラム教徒に対し、過激なイスラム教原理主義者たちによるテロが、政治・経済の理由のもとに行われているのも、そこに「宗教」対立が根強くあることは否定すべくもない。本来、平和を説き、愛を語る「宗教」が「戦争」や「テロ」を引き起こしてきたのである。