佐藤さんは祖父、両親、そして2つ年下の弟と地方にある実家で暮らしている。血縁が身近にいるわけだが、家族には悩みを打ち明けられない事情がある。
「大した大学を出てない」と自嘲気味に明かす彼にとって、今、勤めている会社は地元で知られた優良企業であり、給与や福利厚生などの待遇は景気が低迷する現在の日本にあって驚くほど恵まれているのだ。
だからというわけではないだろうが、社内のイジメが激しいときなどは「聞き上手倶楽部」のサービス利用料が1か月に10万円を超えることも何度かあったくらいだ。ボーナスもいいのだろう、賞与の時期には利用頻度が増える。
「親戚の集まりがあったとき、何度か叔父にこぼしたことがあるんです。