読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-1
kiji
0
1
1062133
0
今だから言える日本政治の「タブー」
2
0
0
0
0
0
0
政治・社会
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
●「アメリカ同時多発自爆テロ」と「道路公団民営化」

『今だから言える日本政治の「タブー」』
[著]田原総一朗 [発行]扶桑社


読了目安時間:4分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ



 小泉政権の時に起きた大問題といえば、やはり二〇〇一年九月一一日に起きた「アメリカの同時多発自爆テロ事件」である。ハイジャックした航空機をニューヨークの世界貿易センタービルやワシントンの国防総省に激突させ、ニューヨークでは二七〇〇人を超える死者を出す大惨事となった。世界中を震撼させた事件である。

 〇一年九月一六日の放送で『サンプロ』も「全米同時多発テロ」をテーマにし、一九九〇年の湾岸戦争時に『サンプロ』で持論を展開した軍事ジャーナリストの田岡俊次や国際政治学者の大礒正美らが熱弁を振るった。

 第一次世界大戦でも第二次世界大戦でも自国が戦場となる経験をしなかったアメリカは、初めて自国を戦場化されて国中が怒りに満ちた。そしてアメリカ政府はテロ攻撃がオサマ・ビンラディンをリーダーとするテロ組織「アルカイダ」によって計画・実行されたと断定し、この組織の引き渡しをアフガニスタンのタリバン政権に要求した。しかしタリバン政権側が拒否したため、〇一年一〇月七日にアメリカ軍はアフガニスタン空爆を開始し、一九日には特殊部隊が投入されて地上戦に突入した。

 こうした中で日本の自衛隊派遣が再び話題となっていく。湾岸戦争時と違っていたのは、北朝鮮の核開発疑惑や中国と台湾の緊張関係が高まる中で日本の右傾化が進んでいたことだ。

 一〇月一四日放送の『サンプロ』は「空爆は失敗か」というテーマで、安倍晋三らを招き、アフガニスタン攻撃を根本から問い直す議論を行った。たやすく右傾化した流れにのみ込まれないためである。

 そんな中、国内では、「道路公団民営化」が問題化している。自民党総裁選で勝利した小泉首相が口にして支持されたのが「自民党をぶっ壊す」という言葉だった。その真意は、自民党を支配してきた平成研をぶっ壊す、ということである。前述したように、平成研の力の源泉の一つが道路利権であり、道路公団もその中に含まれる。ここを民営化することは平成研の力を弱めることになるのだ。

 小泉に道路公団民営化を持ちかけたのは猪瀬直樹である。九六年に『日本国の研究』(文藝春秋)を書き、彼はこう述べている。
「先進資本主義国で行政がこんなに肥大化し、しかも特殊な利権構造を作っている国は日本だけだ。なぜなのか。官僚と結ぶ官僚機構の一部に特殊法人、社団、財団など公益法人やそのファミリー企業が組み込まれ、第二の予算である財政融資に群がって、やりたい放題をやっているからだ。いわば官僚制社会主義国家になってしまっている。これをぶち壊さなければならない」

 小泉は、この猪瀬提案に乗ったのだ。そして、彼を行政改革担当大臣の諮問機関としてつくった行革断行評議会のメンバーに加えた。そして経済再生を竹中平蔵に丸投げしたように、道路公団民営化も猪瀬に丸投げしたのだ。

 その猪瀬に『サンプロ』のスタジオに来てもらい「道路公団民営化を」のテーマで議論したのは、〇一年一〇月二八日のことだった。この時は、行政改革担当大臣に就任していた石原伸晃も一緒に出演している。いわば、「道路公団民営化推進コンビ」である。その前後にこの問題は何回もやった。

 道路公団民営化は郵政民営化と並ぶ小泉の構造改革の代表的な事例だが、これに国土交通省を中心として強固な反対があった。要求した資料を出さないなど、露骨な抵抗ぶりだった。そのバックには平成研があり、国土交通省の役人たちも自分たちの既得権益を守るのに必死だったのだ。それに猪瀬が果敢に挑み、石原がサポートした。だから『サンプロ』でも採り上げ、猪瀬に、視聴者にそして国民に向かって訴えてもらったのだ。

 道路公団民営化は難航に難航を重ね、民営化推進委員会が割れるなどして猪瀬が悪者扱いされたが、わたしは最後まで猪瀬を支持し続けた。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:0文字/本文:1552文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次