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2015年改訂版 ふるさと納税生活 完全ガイド
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まえがき

『2015年改訂版 ふるさと納税生活 完全ガイド』
[著]金森重樹 [発行]扶桑社


読了目安時間:5分
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 平成26年4月に出版した前著「100%得をする ふるさと納税生活」以前にも、ふるさと納税制度はあった。制度自体は平成20年4月から存在した。しかし、それが税制と関連すること、仕組みが簡単ではないことから、少なくとも前著が世に出るまでは、ふるさと納税は広く一般に知られる存在とはいえなかったし、前著が出た時点での類書は1冊もなかった。


 出版までには紆余曲折があった。ふるさと納税の企画を出版社に持ち込んだ際に、

「こんな内容に興味がある人はいるのですか?」

「ネットで調べれば十分だから、書籍がでても誰も読まないですよ」


 などと、何社もの出版社からお断りをいただいた。



 僕はプロの書き手としてこれまで数十冊の書籍、翻訳書を出してきたが、企画が断られたことは1度もなかった。それが、である。ふるさと納税の企画では、著者名で企画書に目を通すまでもなくOKをだしてくれていた版元までもが断ってくる有様に、僕はすっかりしょげてしまった。僕の所属する出版エージェントのアップルシード・エージェンシーの鬼塚さんに「この企画、絶対いけますから」といわれても、慰めの言葉にしか聞こえなかった。


 まあ、そうである。類書がないケースの大半は、版元がリサーチして企画として成立しないからだ。火中の栗を拾おうという版元はこの出版不況の中で多くはない。


 このような経緯から、扶桑社によって日の目をみることになった本書なので、扶桑社には結果で報いようと決心して事にあたった。僕は自前でフルタイムのPR担当者を雇い、ネット広告を打ち、他の予定に最優先して毎日のようにテレビ出演、雑誌取材、対談にあたった。


 あるときは地方ロケに、あるときは家族旅行への同行取材も受け入れた。


 嫁さんにも多大な迷惑を掛けた。テレビ出演の際に使ったのは、自宅の台所だった。決してキッチンスタジオではない。毎日子供たちが汚した台所を生活感がないようキレイに掃除するのは大変だったと思う。



 その他、各方面の多大なご協力もあって、前著は反響も大きく約7万部を売り上げることができた。ふるさと納税の爆発的なブームは間違いなく前著があってのことだと自負している。これまで6年間もあまり知られていなかったのに、前著の後には雨後のたけのこのように十数冊もふるさと納税関連のムックがでてきた。それまでは、1冊たりとも刊行されてはいなかったのだ。


 いまや、ふるさと納税の情報は巷にあふれ、ずいぶん身近なものとなった。ふるさと納税をする人は急増し、それに応えるように各自治体の特典に工夫と努力が加わった。


 還元率が高く、お得な返礼品を導入することと、魅力ある返礼品を多数取り揃え、利用者の選択肢を増やす努力。また、話題性のあるユニークな返礼品を考える工夫。年間の回数制限を無くしたり、ポイント制を導入したり、贈答品対応をするなどシステム的に利用者の要望に応える工夫。各自治体は努力すれば寄付金を増やせるというフィードバックが得られるため、工夫にも熱が入ったと思う。



 僕もテレビや雑誌の取材をたくさん受けた。ロンドンのエコノミスト、ニューヨーク・タイムズの東京支社、フジテレビでの石破茂・地方創生大臣との討論、そしておびただしい数の朝番組、バラエティ、報道番組。キー局も、ローカル局も、毎日のように我が家の台所を訪れてロケをした。


 予想を超える盛り上がりはさらに加速した。それも、制度が拡大する方向で大きく変わった。詳細は後述するが、2,000円を除く全額控除が受けられるふるさと納税枠が約2倍になり、条件によっては確定申告が不要になる(「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の創設)などだ。利用できる枠が増え、手続きが楽になるのだから、利用者も寄付金額もともに増加することが期待される。


 各自治体の返礼品も米や肉、酒が主体だったものから、タブレットPC、家電製品からかばん、洋服、ペットにいたる生活、趣味用品に広がった。宿泊券や地域振興券から乗馬やパラグライダーといった、体験型の特典もバラエティ豊かになった。新しい流れとしては食材・食料品中心から、日用品やレジャーを含む生活全般へとシフトしている感がある。



 加えて、寄付をするお金の「使い道」さえ、選べるようになっている。


 これはあえて前著では黙殺してきた点だ。前著はお得感を前面に出して、主婦層に訴求することに重点を置いた。義俠心や郷土愛だけではふるさと納税は爆発的に普及しないし、利己的な欲求なく寄付を継続できる人は少ないという人間の本質を考えてのことだ。見返りの無い寄付をする人間は日本には少ない。人の欲望を刺激することが大切だ。


 実際、「使い道」による寄付の流れも一部にはある。


 島根県では、「竹島の領土権の確立」を使い道に指定したふるさと納税が、件数・金額ともに過去最高にのぼっており、沖縄県では翁長雄志知事が就任して以来、辺野古への基地移設に反対する人たちが沖縄県や名護市に寄付している。


 このようにふるさと納税がヒートアップする一方で、総務省は各自治体に、寄附金控除の趣旨を踏まえた良識ある対応を要請している。電子マネーや土地、純金製の手裏剣、図書カード、商品券などは換金性が高いとして自粛要請した。


 ふるさと納税の認知度が高まるにつれ、

「プレゼント合戦になっているのではないか?」

「高額納税者ばかりが得をするのは不公平では?」

「見返りのないお金のやり取りが寄付本来のあり方だ」


 など、反対・批判論も強まってきた。このように、ふるさと納税を取り巻く環境はこの1年で激変した。たった1年で、想像以上の広がりを見せ、制度変更もされ、論争さえ巻き起こっているのが今の現状なのだ。


 そのため、前著を大幅に加筆訂正する必要が出てきた。平成27年4月スタートの新制度を踏まえて書き直したのが本書である。


 ふるさと納税の最新事情を読者のあなたにお届けしたい。

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