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2015年改訂版 ふるさと納税生活 完全ガイド
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Chapter2 ふるさと納税の手続きの流れ

『2015年改訂版 ふるさと納税生活 完全ガイド』
[著]金森重樹 [発行]扶桑社


読了目安時間:22分
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●ふるさと納税についての誤解



 よくふるさと納税について説明するときに、「出身地などに2,000円を超える寄付をすると~」と説明される。


 TVなどで手短に紹介される際にはそれでもいいんだけど、この「ふるさと」という言葉で「自分の出身地じゃなければふるさと納税できない」と思ってる人が多い。


 これがふるさと納税があまり拡大していかない理由のひとつだと思う。


「ふるさと」じゃなくてもいい



 なぜこの「ふるさと」という言葉がつけられたかというと、平成1810月に西川一誠・福井県知事が「故郷寄付金控除」という制度の導入を提案したことが発端となっている。それ以外にも平成18年8月に谷垣禎一財務大臣(当時)が「ふるさと共同税」の提案をしていたり、ふるさと納税の発端については他にも各方面の提案がある。(国立国会図書館調査及び立法考査局レファレンス2010・2参照)



 地方で生まれた人間が地方で育てられて、育ったあとは都会にでてきて働いて、定年したり年をとったりしたらまた故郷に帰る――という人の流れが仮にあったとする。そうしたときに地方が子供を育てるのに投資した行政コストを都市から回収する方法はないのか? というのが当時の着想だったようだ。


 じゃあその「ふるさと」とは何か? と実際に制度について考える際に、自分の出生地なのか、自分が教育を受けた場所なのか、両親が住んでいる場所なのか、転勤族で地方を転々としていた場合にはどうなのか、など、各人のふるさとについての考え方はいろいろあるし、仮にそれを一定の枠で定義したとして、そのふるさとを証明する書類を添付してということになると膨大な事務処理コストがかかってきて、都市からの回収どころの話ではなくなってくる。


 なので結局は総務省が立ち上げたふるさと納税研究会ではふるさとについて定義することをやめ、ふるさと納税の対象となる自治体については納税者の意思に委ねるのが適当ということになった。


 つまりふるさと納税は「ふるさと」にするものではないのだ。となると、別に1か所に限る必要もない。何か所でも際限なくふるさと納税できることになる。


 現に僕も毎年100か所を超える自治体にふるさと納税している。ただこんなにたくさんの自治体にふるさと納税している僕だけど、出身地の岡山市にはふるさと納税しない。それは特典に魅力がないからだ。


納税じゃない



 ふるさと納税は正確にいうと納税ではない。にもかかわらずなぜ納税という名称が残されているのかについては、現在のふるさと納税のように寄付金控除方式で行うやり方のほかに、当初は自分の住所地の自治体と「ふるさと」の自治体に住民税を分割して納付する方式もあり得るのではないかと議論されていた経緯にも関連する。(平成1910月ふるさと納税研究会報告書)



 そもそもなぜ地方税(市町村税と都税、道府県税)があるかというと、教育、福祉、消防、警察、ゴミ処理などの行政サービスの多くは、市区町村や都道府県によって提供されていて、地方税はこうしたサービスをまかなうための財源であり、その地域に住む住民などが広く共同して負担しあうもの(地域社会の会費)だからだ。


 これは「応益負担の原則」とか「負担分任の原則」といわれていて、行政サービスを受けているのだから地方税を払いなさいという原則だ。




 なので、もし住民税の分割方式が行われると、行政サービスを受けている自治体に払う分が減る(一部ただ乗り)一方で行政サービスを受けてもいない自治体に住民税を払うということになり、受益と負担の関係を説明することが困難になる。また住所地以外の自治体が個人住民税を課税する根拠がない。


 以上のような理由でふるさと納税は結局は住民税を分割して納付する方式ではなく、寄付金控除方式で行われることになった。ただ、当初の経緯もあって名称には納税という字句が名残として残された。

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