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ニッポン犯罪狂時代
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ルポ・エッセイ
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・気を付けろ、殺人鬼が野放しに!

『ニッポン犯罪狂時代』
[著]北芝健 [発行]扶桑社


読了目安時間:16分
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 年配の方なら記憶に残っているかもしれない。白い靴下とブリーフ姿で口に猿ぐつわをかまされ連行される川俣軍司の姿を。ご存じない方のために、事件の概要を説明しよう。

 昭和五六年六月一七日午前一一時四〇分頃、江東区森下二丁目の歩道で柳刃包丁を持った男が、バスから降りた女性Kさん(七一歳)を刺し重傷を負わせる。さらに二〇メートル東の喫茶店「ロアール」前にて幼稚園から帰る近所の親子連れに襲いかかり、ベビーカーの一歳男児、母親、連れられていた三歳女児を次々に突き刺し三人を即死させた。その後、そばで立ちすくんでいた主婦Nさん(三三歳)を刺殺。数十メートル引き返した化粧品店前で、同店の主婦Yさんを刺す。

 約一〇メートル東の中華料理店「万来」前を通行中の主婦Iさん(三三歳)を人質に取り店内へ侵入。昼食時で店内にいた数人の客をすりぬけて奥座敷へ入り、立て籠った。

 男は、
「浦安の寿司屋夫妻を呼べ」と要求。さらに、
「包丁を研ぐから砥石を持ってこい」と言い、差し入れさせた砥石を人質の肩にのせ、包丁を研ぐ。

 同日午後六時五五分、犯人の隙をつきIさんは脱出。同時に捜査員が雪崩れ込み、身柄を拘束する。深川署へ連行される際、入口を取り囲む近隣住民から「死んでしまえ」と罵倒され、ニヤリと笑ったという。

 犯人は暴行、恐喝、傷害など七回の逮捕歴を持つ元寿司職人・川俣軍司(二九歳)。トラック運転手、漁師、警備員、水産会社工員、寿司職人、転々と職を変えながら何一つ続かぬ粗暴な男だった。この日も寿司屋への就職を断られ凶行に及んだものだった。

 取り調べに際し、川俣は、
「子どもを持つ人がうらやましく、手当たり次第うっぷん晴らしをしてやった。亡くなった人が気の毒とは思わない」
「死んだ人間は運命だ。刺して気分がすっとした。うまく殺せたと思う。殺しや人質をとるのに、オレは冷静に行動した」と答えている。

 極悪という名も白々しいほどの悪党である。

 ところがである。
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