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韓流エンタメ日本侵攻戦略
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◎ヨン様シンドローム

『韓流エンタメ日本侵攻戦略』
[著]小野田衛 [発行]扶桑社


読了目安時間:3分
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 日本における韓流ブームは、言うまでもなく2003年4月よりNHK・BS2(当時)で放送されたぺ・ヨンジュン主演のドラマ『冬のソナタ』がきっかけになっている。

 同年9月まで放送された冬ソナは予想をはるかに上回る反響があったため、早くも12月には再放送を開始。さらに翌年4月からは地上波のNHK総合でも放送し、このときは土曜日23時台の放送にもかかわらず視聴率20%を超える回もあり、これで社会現象としての韓流・ヨン様ブームは本格的に火がつく。

 実は「韓流」という単語自体は日本発祥ではなく、年頃から中国や台湾で使われ始めたものだ。中華圏では多くの韓国ドラマがヒットしたことが契機となり、若者を中心に映画や音楽など韓国の大衆文化全般が注目されるようになっていた。この動きはタイやミャンマーにも飛び火。当時、その波は日本まで波及することはなかったが、数年遅れてとうとう日本でも韓国ドラマ旋風が巻き起こることになる。

『冬のソナタ』の日本での人気は異常とも言えるものだった。年4月にぺ・ヨンジュンが初来日した際には、羽田空港に女性ファン5000人が集結。警察隊が出動し、怪我人まで出る大パニックになった。ぺ・ヨンジュンは同年11月の再来日の際も、宿泊したホテル前でファンがパニック状態になり怪我人を出す騒動を起こしている。

 女性週刊誌やワイドショーをはじめとしてマスコミも大々的にヨン様フィーバーを取り上げたが、この過熱報道ぶりもブームに拍車をかけたことは間違いない。「韓流オバさん」の熱狂的な応援は、すぐに社会現象になった。

 日本の韓流ブームが中国や台湾と大きく異なっているのは、夢中になったのが中高年の女性だったことである。人情味溢れる人間関係、運命に翻弄される初恋の行方、悲劇的なストーリー展開、相手や家族を敬う礼儀正しさ、赤面ギリギリのクサい台詞回し、自然に溢れた美しい光景……こういった近代の日本が喪失しつつあった要素にノスタルジーを感じ、大きな共感を獲得したのだ。

 もともとは日本も儒教精神が根付いていた家族主体の国家だったが、急速に近代化していく過程で核家族化や少子化といった問題が表面化していく。人間関係が希薄になり、家族の繋がりがおろそかになった日本に対し、カウンターで飛び込んできたのが韓流ドラマだった。日本では後に映画『ALWAYS 三丁目の夕日』がヒットすることになるが、家族と哀愁といったテーマの受け入れられ方は近いものがあるかもしれない。

 作風としては、ゆっくりとしたストーリー展開で、カット割りを極力減らし、登場人物の会話と心象風景をひとつずつ丁寧に描いていくのが特徴。韓国ではドラマが週2回放送されるので、短くても16回、ときには50回以上の長編になる。この長い回数を利用してじっくりと人物の描写をしていくため、視聴者は登場人物に思い入れを持ちやすいのだ。

 また、あくまでも視聴者を第一義に考えているので、寄せられた声を反映させてシナリオを変更することもある。このように日本ドラマにはない作りも中高年女性のマインドにマッチした。

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