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韓流エンタメ日本侵攻戦略
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◎独自の発展を遂げた日本のアイドル文化

『韓流エンタメ日本侵攻戦略』
[著]小野田衛 [発行]扶桑社


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 K‐POPとは要するに韓国のアイドルのことである。韓国アイドルが日本に本格上陸するまで、アイドルは日本のお家芸と捉えられていた。特に女子グループアイドルに関しては、キャンディーズやピンク・レディーの時代から始まって、おニャン子クラブやモーニング娘。に至るまで、独自の進化を遂げてきた歴史がある。

 実際、韓国のアイドルブームも、もとをただせば1986年に韓国進出した少女隊の活躍にあるとする意見もある。少女隊は引田天功の娘が在籍していたり、グループ解散後にメンバーがヘアヌード写真集を出したことくらいしか日本では話題に上らないが、韓国ではそれまでアイドルという文化がなかったため、派手な衣装を身にまとった彼女たちの存在は一大センセーションを巻き起こしたのである。少女時代のルーツが少女隊にあるというのは興味深い話だ。

 同じアイドルといっても日韓でそのあり方は大きく異なっている。日本のアイドルファンは、コアになればなるほど女子アイドルに対して可愛さ……もっといってしまえば子供っぽさや幼さを求める傾向が強いのに対し、韓国アイドルはセクシーさをダンスなどで前面にアピールしてくる。背の高いメンバーも多い。

 男性アイドルにも似たようなことが当てはまり、韓国のメンズアイドルは、ジャニーズ系に代表される日本のアイドルよりもマッチョで力強さを打ち出してくる。女は女らしく、男は男らしく。魅力がストレートでわかりやすいのだ。

 日本のアイドルはファンのニーズに合わせて進化していった。AKB48の総選挙やじゃんけんでセンターを決めるといったプロレス的な仕掛けは、世界でも類を見ない独特のシステムだ。こんなことができるほど、日本はアイドル文化が成熟しているといっていい。

 こうしたアイドルカルチャーの先鋭化は熱心なアイドルファンの心を掴んでいった半面、一般層の参入を妨げているという側面もある。「ヲタ芸」と呼ばれる独特の応援スタイルや握手会のためにCDを買い占めるといったコアなファンの布教活動に対し、「なんかロリコンっぽくてキモい!」と敬遠される現象が出始めたのである。

 こうなると、制作サイドはますます特定のファンだけを相手にビジネスを行なうようになり、ファン層が広がらないため縮小再生産を繰り返すだけになってしまう。そういう意味ではAKB48の人気がお茶の間レベルにまで広がった意義は大きい。アイドルのライブ現場に若い女性やコアファン以外の普通の男子高校生の姿が見えるようになったのは、日本のアイドル界にとっては非常に明るい材料だ。

 KARAや少女時代が日本でブレイクした際、日本のアイドルシーンに与えた影響は驚くほど少なかった。支持層の棲み分けがはっきりできていたからだ。K‐POPのファンは1020代の女性。日本のアイドルファンは1040代の男性。KARAや少女時代のライバルになるのはむしろ浜崎あゆみや倖田來未であって、日本のアイドルファンからするとどこ吹く風だった。同じアイドルといっても、実際はまったくの別ものだったのである。

 ところが、それも徐々に変わりつつある。筆者が年6月に少女時代の日本ツアーを見たときは、観客のほぼ半数が男性だった。有明コロシアムを女性客ばかりで埋めていたのが年8月のことだから、隔世の感がある。

 ひとつにはAKB48と同様に少女時代がお茶の間レベルの人気を持つようになったから、ライトなファン層が増えたということがあるだろう。それに加えて「アイドルとはいえ、どうせカネを払うんだったら、やっぱりパフォーマンス力が高くて良質なものを見たい」という欲求が高まってきたのも事実だ。

 年8月の黒船襲来から1年が経過し、K‐POPのライブ現場では日本のアイドルファンから流入してきた層が確実に増えた。日本のアイドルも「あれは別物だから」と流暢に構えていられなくなりつつある。

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