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人生の極意
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生き方・教養
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質問(1) 年収120万円未満で生活も結婚もできません

『人生の極意』
[著]佐藤優 [発行]扶桑社


読了目安時間:3分
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 年収300万円時代どころか、今の私の年収は120万円に満たない金額で、生活も結婚も子どももできません。たぶんこれから自分のような人が多くなると思いますが、どのように生きていけばいいでしょうか? これからの人生が不安でたまりません。

いろいろ(ペンネーム) 臨時職員 51歳 男性



回答 労働価値の低下は、国力低下に繫がる!


 まず賃金(給与)がどのように決まるかを理解する必要があります。この点で重要なのは、人間の労働が社会的価値を生み出すというアダム・スミスの古典派経済学の立場に戻ることです。現在、日本で主流になっている経済学(近代経済学)は労働価値説の立場を捨ててしまいました。それだから、理論的に賃金がどう決まるかを明らかにすることができません。労働価値説を発展させたのはマルクスです。マルクスには2つの魂があります。1つは、この資本主義社会がどういう構造になっているかを分析する学者としての魂です。2つ目は、資本主義を打倒し、社会主義にしようとする革命家の魂です。ソ連型社会主義が、普通の国民にとってひどい状態をもたらしたことを知っているので、マルクスの革命についての処方箋には魅力がありません。これに対して、資本主義を推し進めるとどうなるかというマルクスの分析はとても参考になります。特に埼玉大学名誉教授の鎌倉孝夫先生はマルクス経済学について、わかりやすい本をたくさん書いています。賃金がどう決まるかについて、鎌倉先生はこう説明します。

〈労働者は、自らの所有する唯一の商品である労働力を売るほかない。現実的にいえば労働力の一定時間の使用あるいは使用権を売る、ということである。労働力を使用して労働するのは、資本に雇われているからであり、その「労働」は労働力の使用(権)を買った資本家のものであるから(中略)賃金労働者は、職人とちがって自ら売るものは労働力(その一定の使用)である。賃金は、彼が行った「労働量」やその仕事の成果によって規定されるのではなく、労働力の再生産費としての労働者の生活維持費なのであり、「労働」量が変わっても生活維持費が変わらなければ賃金は変わらないし、「労働」量が一定でも生活維持費が変われば変わる〉(『資本主義の経済理論 法則と発展の原理論』173~174頁)


 資本主義社会では、カネがなくては生きていけません。土地も資産も持っていない人は、労働力を売り、それでカネを得ます。労働力の価格は市場で決まります。今の日本では労働力の価格が極端に低くなっています。年収120万円では、食べていくだけでギリギリで、満足な家を借りることも服を買うこともできません。労働者となる次世代の日本人を再生産することができないのですから、このような状態が続くと日本の資本主義が弱り、その結果、日本の国力も弱ります。幸い民主党は、国家の介入により貧困問題を解決しようとする方針をとっています。この流れに期待するしかありません。具体的に生活を改善するためにどうしたらよいかについては、湯浅誠さんが事務局長を務める「自立生活サポートセンター・もやい」と連絡をとることをお勧めします。親身に相談に乗ってくれます。


【参考文献】『資本主義の経済理論 法則と発展の原理論』鎌倉孝夫 有斐閣

長年の著者の研究・講義経験をもとに、経済学原理の体系を解説。

資本主義経済の法則と発展の基本的な仕組みを明らかにし、現代経済を理論的に解説。'96年刊



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