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沖縄が中国になる日
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政治・社会
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1 オスプレイ配備と米海兵隊の存在意義

『沖縄が中国になる日』
[著]惠隆之介 [発行]扶桑社


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 オスプレイ配備の脅威

 現在、中国から侵略の脅威にさらされている尖閣諸島は、沖縄本島から南西約410kmの位置にある。自衛隊の空白地域で、中国軍が侵攻してきたら日本独自での防衛は困難とされてきた。当面頼れるのは米軍、特に米海兵隊である。

 海兵隊は自己完結性が世界の軍隊中で最も高く、即応性にも優れている。しかも米海兵隊は第2次世界大戦後、朝鮮、ベトナム、イラク、アフガンと地上戦を経験したノウハウ(戦訓)を蓄積しており、戦闘力は中国人民解放軍や陸上自衛隊とは比較にならない。

 万一、尖閣に人民解放軍が上陸した際、日米安保条約第5条が適用され、米海兵隊の島嶼奪還作戦が敢行される。その時、兵員の運搬手段が大きな課題となる。

 これまで使用されてきた海兵隊の主力機CH―46ヘリコプター12名搭乗)の戦闘行動半径は約140km、しかもこれはベトナム戦争の際のもので耐用年数は限界を超えている。

 有事の際には、兵力集中の原則に従って、佐世保を母港とする米第7艦隊第7遠征打撃群所属の揚陸強襲艦(空母)全4隻を沖縄近海に呼び寄せ、沖縄に駐留する歩兵(第3海兵師団)とともに、ヘリを飛行甲板や艦内に収容しながら、尖閣沖140km圏内に進出しなければならなかった。

 ところが平時は4隻中、1〜2隻が入渠整備中か、西太平洋を各個に行動している時が多い。従って、全4隻を沖縄本島経由で尖閣近海に行動させるには、有事発生から最短でも1週間から10日を要する。

 いったん敵に島を占領され、時間の経過を許すと、相手は直ちに対空ミサイルや、対艦ミサイルを設置するので、敵を水際で撃退するよりも10倍の犠牲を強いられることになる。

 この点、平成24(2012)10月1日に沖縄、普天間米海兵隊航空基地(第1海兵航空団)に配備された垂直離着陸輸送機MV―22「オスプレイ」24名搭乗)は、空中給油が可能であるばかりか、無給油でも戦闘行動半径が600kmある。

 CH―46ヘリと比較すると、速度は2倍、積載重量は3倍で、普天間基地より約50分で直接かつ効率的に米海兵隊戦闘部隊を尖閣に投入することができるのだ。さらに下地島に前線基地をつくると、尖閣に片道約20分で反復行動できるのである。同機は対地攻撃能力にも優れている。

 一方、航空自衛隊那覇基地および米軍嘉手納基地に展開するF―15戦闘機は、優れた空戦能力を有するものの、対地攻撃能力を有していない。この視点からもオスプレイの対地攻撃能力は有用なのである。

 ところで、我が国の防衛戦略は転換を余儀なくされている。かつて東西冷戦時代、北海道が国防の重点地域であった。ソ連軍の侵攻に備えて機甲師団(戦車部隊)を集中配備していれば事足りたのである。

 現在その脅威は南方にシフトした。従って我が国は、動的防衛力を強化しながら中国軍による着上陸に備えるとともに、万一上陸を許した際には直ちに海空戦力と歩兵部隊を統合運用して奪還する必要があるのだ。

 その際、中核となるのが米海兵隊である。

 現在、沖縄には第3海兵遠征軍が駐留している。兵力1万9000人、隷下に先述の第3海兵師団がおり、海兵航空団(普天間海兵隊航空基地)、第3海兵兵站群が活動している。沖縄に配備された新型垂直上昇機オスプレイは、その戦力の基軸となるのである。

 またもうひとつの視点でもオスプレイの必要性が出てくる。

 米国は平成24年1月、新国防戦略指針を公表し、西太平洋に展開する海兵隊の再配置計画を発表した。

 これは、10年前の対テロ戦争開始以来、米国がイラクおよびアフガンに展開してきた20万人規模の兵力を撤退させて再びアジアに戦力を重点配備する際、沖縄に司令部を置く海兵隊の配置を東アジア地域に分散配置するものだ。

 従来、米国は北朝鮮を視野に、沖縄を中心にハワイ、岩国等北半球寄りに海兵隊基地を展開してきたが、近年は南方のグアム、ダーウィン(オーストラリア)の拠点を加えて、朝鮮半島から東南アジアを経てインド洋にわたる対中国抑止拠点を構築しようとしている。

 また同時に、中国および北朝鮮からの弾道弾ミサイル攻撃への対処の意味合いからも、沖縄に兵力を集中配備するリスクも軽減できる。

 一方、「海洋強盛大国建設」を主張し、海洋制圧を目指す中国は、沖縄にオスプレイが配備されることが極めて脅威となるのである。何とかこれを阻止し、また沖縄に駐留する米海兵隊を撤退させたいというのが本音であるのだ。

 次項よりそのための中国の巧妙な工作活動を紹介する。
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