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ミリタリーテクノロジーの物理学<核兵器>
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雑学
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原子核を剥き出しにする

『ミリタリーテクノロジーの物理学<核兵器>』
[著]多田将 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:3分
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 これからお話しする核融合と核分裂こそが、本日の主題である核兵器の原理そのものなのです。


 核融合とは、原子核同士がくっつく現象です。ここで2つの原子核を考えてみます(図16)。




 どちらも水素の同位体です。命名の原則に従うと、水素2と水素3ですが、水素の同位体のみ、特別扱いで個別に名前を与えられています。図16の左、陽子1つに中性子1つから成るものが重水素(Deuterium、デューテリウム)、図16の右、陽子1つに中性子2つから成るものが三重水素(Tritium、トリチウム)と呼ばれます。また記号も、原則に従えば、それぞれ、ですが、特別に、D、T、という記号も与えられています。


 この2つの原子核の核融合が、最も有名な反応なのですが、その反応を起こすためには、2つの障壁を乗り越えなければなりません。


 原子の構造を思い出して頂くと、原子は、その周囲が電子に覆われていて、原子核はその中心に存在するのでした。この電子のおかげで、中身すかすかの原子同士でも触れ合うことが出来るのだ、というお話をしましたが、この核融合反応を起こす際には、逆にこの電子が邪魔になってしまうのです。つまり、先程の水滴の融合のように、原子核が融合するためには、強い力が働くほどの近距離、ほとんど接触するほどの距離に近づけなければなりませんが、原子そのままの状態であれば、周りの電子が邪魔をして、原子核同士は近づくことが出来ないのです。原子核の大きさに対して、原子の大きさは、10万倍ということでした。これではどうしようもありません。原子核を融合させるには、まずはこの電子を何とかしなければなりません。



 では、電子を原子から取り除くにはどうしたらいいのでしょうか。


 答えは、「高温にする」です。核融合の材料である重水素や三重水素を高温にして、電子と原子核をばらばらにするのです。


 高温にするとなぜばらばらになるのか、を理解するには、温度とは何か、ということを理解しなければなりませんが、今回のテーマと外れるので簡単に申しますと、温度とは「粒子の運動エネルギー(の平均値の密度)」のことです。ですから、「高温にする」とは、電子にエネルギーを与え、速度を大きくすることです。周回運動のモデルで言うならば、人工衛星を連想して頂くとよいかも知れません。人工衛星は、ちょうど重力とつり合うような速度で運動しているときには、地球の周りの軌道を周回していますが(これが通常の原子の中の電子の状態です)、より大きな速度となると、軌道を離れ、宇宙の彼方へと飛んで行きます。このように、電子にある限界以上の大きな速度を与えると、原子を飛び出してしまい、原子核は剥き出しになります。この現象を電離と呼び、このように電子と原子核がばらばらになっている状態をプラズマと呼びます。


 プラズマ状態になれば、原子核は露出していますから、電子に邪魔されることもなく、出逢うことが出来そうです。



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