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ミスコンでは“ナンバーワンの美女”は選ばれない

『騙される脳』
[著]米山公啓 [発行]扶桑社


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 私が医学部で助教授をしていたころの学生の一人に、タレントとしても成功した女医の西川史子さんがいます。彼女は大学時代から、かなり派手な格好で大学内を闊歩していました。医者の息子とはいえ、貧乏な学生生活を送っていた私としては、なんとも忸怩(じくじ)たる思いになっていました。

 最近、彼女のことでメディアから取材を受け、「当時の彼女は美人だったか」などと聞かれます。

 もちろん彼女は美形でありましたが、それよりも彼女のすごいところは度胸です。なにしろ、医師国家試験の数日前にミスコンテストを受けたのです。医師国家試験といえば、医師になる最後にして最大のハードルです。よほど自分に自信がないかぎり、試験日まで懸命に勉強しています。

 そんな試験の直前に勉強を休止してミスコンテストを受けることは、私の時代にはありえないことでした。「時代は変わったな」と思いました。

 しかも、その理由を聞けば「医師になる前の記念だった」というのです。たいした度胸です。

 こういったミスコンでは、世界的にみると意外な人が優勝しています。

 ミス○○といった世界的なコンテストで選ばれる日本人がときどきニュースになりますが、ミスになった女性を見ていると、どうも自分の考える美女とは違う気がする人も多いのではないでしょうか。

 ミスコンに選ばれる人は、確かに美人です。しかしそれだけではありません。ものすごい美女ということではなく、別の価値が必要なのです。

 経済学者のケインズに「株は美人投票のようなものだ」という至言があります。

 みんなが「上がるだろうなあ」と思えば上昇し、「下がるんじゃないか」と思えば下落する。株は投資家の総意で動いていくもので、儲かるか儲からないかは、ただ単に見極めるタイミング次第だということのようです。

 つまりミスコンのグランプリに選ばれた美人とは、みんなが「まあ、美人なんじゃないの」といった最大公約数の票を集めた人だというだけの話なのです。

 実際に美女と思われる顔を分析した研究によると、一般的には、目、鼻、口など一定の比率が好まれるようですが、ミスコンで最も人気のある顔は、平均的な顔より少しずれているという傾向があるのです。

 選考委員は、みんなが喜びそうな人を選び、その情報を聞いた私たちも、「まあ、美人だ」という判断をします。結果として、“平凡な美女”が選ばれるというわけです。

 街中でふとすれ違った人間のほうが断然、美女だったりします。しかし、その人はミスコンで優勝しているかといえば、そうではありません。
「みんなが選ぶだろうな」という、自分の本音の基準から少しずれたところで、美女が選ばれるのです。それこそが脳の中で作られた美女ということでしょう。世界の総意で選ばれた美女ですから、文句をつけようがありませんが。

 最近は、世界的なミスコンテストで日本人が選ばれることがあります。目鼻立ちからすれば、どう考えてもアジア人のほうが不利ですが、世界の人々が理想とするような美女を、「日本人美女」という新しい価値をつけて選んでいるのでしょう。

 
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