2020年東京五輪パラリンピックの招致レースは大詰めを迎えた。
荒木田裕子は招致委のスポーツディレクターとして大車輪の働きをしている。2012年は、東京の施設計画についてオリンピックとパラリンピックの国際競技連盟から承認をもらった。2013年3月、国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会が来日した際は、競技場視察の案内役と説明役をこなした。
今回の招致活動の特徴は、アスリートが前面に出ていることである。評価委員会が来日した際も、レスリングの吉田沙保里やサッカーの澤穂希、車いすテニスの国枝慎吾ら30人ほどの選手がプレゼンや会場案内役を担った。イスタンブールやマドリードと比べ、東京はオリンピアンの多さをアピールできた。
「2016年招致より、今回の招致はオリンピアンの参加者がものすごく多い。東京のウリは“アスリート・ファースト”。競技場は選手村に近いし、選手村の設備もいい。ほとんどのアスリートが同じ選手村で過ごし、交流できるのは、初めてじゃないですか」
東京の長所がコンパクトな開催計画、安定した財政力、運営能力…。ロシアのサンクトペテルブルクでのプレゼンでは、「不確実な時代の確実な五輪」「安全・安心・確実な五輪」を訴えた。