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インテリジェンス人生相談 個人編
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生き方・教養
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相談13●心身共に疲れ果てました……

『インテリジェンス人生相談 個人編』
[著]佐藤優 [発行]扶桑社


読了目安時間:4分
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 私は母と弟3人の母子家庭に育ちました。仲睦まじい家族でした。ところが、去年の暮れに母が大怪我をして記憶障害になり性格も我がままになってしまいました。同時期に弟がうつ病になり仕事もできず、自分のことしか考えません。2人とも施設への入所を嫌がるので、わたしは休日を潰して世話をしてきましたが、忙しすぎて婚約者ともうまくいかず、心身共に疲れ果てました。親戚は心配してくれますが、大丈夫と言ってしまいます。家族を捨てて自分たちの幸せを第一に考えろと言う人もいますが、そこまでふっきれません。家族として犠牲になるのは当然とも思いますが、もう限界です。私はどうしたらいいのでしょうか。

 
コニシキさん(ペンネーム) 男性 書店員 30

回答13●地方政治家に電話してみよう

 

 お母さんの怪我を原因とする記憶障害も弟さんのうつ病も、専門医の判断を仰いで、きちんとした施設で対処するのがよいと思います。怪我が原因と想定されるお母さんの我がままにずっと耐えていると、コニシキさんの神経も参ってしまうし、またお母さんの脳に損傷がある場合は、それが悪化し、取り返しのつかない事態になることがあります。

 それから、うつ病については、現役外交官時代、周囲で発病した人が何人もいましたが、医者にかからずに頑張っていると症状が悪化して、自殺を試みたり、あるいはパチンコに入れ込んで、登庁(出社)拒否、借金をつくるなど、たいへんな事態に発展した事例をいくつか見ました。また、新興宗教や占い師にはまってしまい、うつ病に加え、お布施のための借金、面倒な人間関係の三重苦に悩まされるようになった人もいました。うつ病は「心の風邪」なので、誰でもかかると言われますが、私が見聞した例はほとんどが軽くても「心のインフルエンザ」で、少し対処を間違えると「心の肺炎」になります。とにかく心療内科か精神科を訪れ、専門医の判断を仰ぐことです。専門医の忠告に従い、投薬治療を受けると、症状は必ず緩和されます。

 図式的に言うと、心因性の病気治療や認知症の介護は専門家に任せ、家族は病人や認知症の親に愛情を注ぐことに神経を払うという割り切りが必要です。家族が無理をして、介護や看病を続けてもそれはいつか破綻します。まだ認知症の問題が社会的に大きくなっていない時期に、作家の有吉佐和子さんが『恍惚の人』で、介護が正常な家庭生活を営む上でどれほどの障害になっているかについて問題提起をしましたが、病人や高齢者に対するケアを個人で行うには限界があります。それは、親が個人で、十分な教育を子供に施すことができないのと同じことです。病人や高齢者をいたわるのは社会全体の責務なので、健康保険や介護保険といった制度があるのです。コニシキさんも無理せずに、使える制度は最大限に活用すべきです。その上で、遠慮なく自分の幸せを追求すればよいと思います。客観的に考えても、コニシキさんが疲れ果てて、家出したり、過労死してしまったら、残されたお母さんや弟さんはもっと困難な状況に置かれることになります。

 心療内科や精神科といっても具体的な病院を知らないとか、社会保険や公的扶助をどのように活用したらよいかわからない場合、県議会議員や市町村議会議員のところを訪ね、相談してみればいいです。一般論として、地方議員は、所属政党や政治的傾向にかかわりなく、コニシキさんのような問題で悩んでいる人に対しては親身になって相談に乗ってくれます。遠慮なく、お住まいの選挙区の地方政治家に電話をして、面会時間を作ってもらうとよいでしょう。そのとき、どういう問題を抱えているのか簡単にメモに書いていくと話が円滑に進みます。

 
【参考文献】
『恍惚の人』
有吉佐和子 新潮文庫

 
1982年刊。老いて長生きすることは幸福なのか?
日本の老人政策はこれで良いのか?
「老い」の問題を直視し、
さまざまな問題を投げかけるベストセラー小説

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