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アメリカ人は嘆く われわれはどこまでバカか?
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雑学
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★アメリカ人の「神話」が崩壊した

『アメリカ人は嘆く われわれはどこまでバカか?』
[著]リック・シェンクマン [訳]和田まゆ子 [発行]扶桑社


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 アメリカ人は「地球最大の大国を(おさ)める」という責任を、背()う準備ができているのだろうか。多数派は、理解しているのだろうか。充分に気を付けているのだろうか。しっかりと、何事にも(おど)らされずに考えていると言えるのだろうか。

 アメリカ人は、政治家の、間抜けな言動や行動には、(こま)かく注意を払う。これは、アメリカ人が、自分たちに対して、自信を持っていることを示す。

 けれども、アメリカ人全体の(おろ)かさを問い(ただ)すという仕事は、誰がするのだろうか。

 政治家をからかうだけなら、どれほど(にぶ)い人間にもできる。だが、問題の根にあるのは、実は、政治家ではなく、アメリカ人自身であるとしたら、どうだろう。

 より正確に言うならば、大いに問題があるのは、アメリカ人のなかでも、常習的にバカさ加減を(さら)している人々である、としたら、どうだろう。

 率直に言おう。

 これまで、アメリカ人は、自分たちの間違いを問い質すという仕事をしてこなかった。二〇〇一年九月一一日の同時多発テロ(9・11)という、新たな思考がもっとも必要とされていた出来事を()ても、アメリカ人は、「自分たちの知恵には(なん)がある」という、厳しい現実に向き合うことを避けた。

 世界中に民主主義を広めることにせっせと邁進(まいしん)し、おのれの欠点を果敢(かかん)に見つめるなどという試みは、やめておいた。

 そうして、自己弁護をしながら、「アメリカ人は、善良で素晴らしい民で、高貴な目的を持っている」という『神話』に頼って、安心した。

 アメリカは、無条件に「アメリカ人は素晴らしく賢いもの」と信じた。本書ではこれを『人民の神話』と呼んでいる。しかし、この神話の存在を許したために、アメリカは、政治の道筋を曲げ、指導者の選択に限界をもうけ、イスラム過激派との戦いにおいて、自らを妨害し、アメリカの民主主義と、おそらくはアメリカ人の命までも、危険に(さら)してしまった。

 緊急課題が次々と現われる中、政党は、熱く議論を戦わせてきた。けれども、「有権者の能力には、疑わしいところがあり、そのためにアメリカに害が及んでいる」という、事実はまったく素通りにされた。

 人々の能力を疑う、などという問題提起には、()れ物に(さわ)るようなところがある。だが、この本では、建設的な対話を持つための、いろいろな方法を示していきたい。

 今、この時代のアメリカは、『神話』と対決しなければならない。

 過去にも同じ必要性が登場した。いかなる時代にも、その時々のさまざまな問題に迫られて、アメリカは神話との対決を求められた。にもかかわらず前の世代の人々も、現代のわれわれと同じく、神話に(あやつ)られた。アメリカの歴史の中では、神話との対決は、成功よりも失敗の例のほうがずっと多い。

 しかし、必ず失敗するというわけではない。やむにやまれぬ必要から、過去、アメリカは、いくつかの危険で欺瞞(ぎまん)的な神話と決別した。たとえば、一八六二年、南北戦争の際、リンカーンが、奴隷解放を(うた)って、議会で演説したときだ。
「静かな過去の教義は、嵐の現代にはふさわしくない。(奴隷解放を国中で一致団結して達成する)機会の上には、困難がうず高く積み重なった。われらはその機会と共に、立ち上がらねばならない。直面しているのは、未知の状況だ。それゆえ、新しい考え方と、新しい行動がいる。われらは、自らを解放し、この国を救わなければならない」
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