読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-1
kiji
0
1
1067230
0
校内犯罪(いじめ)からわが子を守る法
2
0
0
0
0
0
0
教育
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
いじめはなくならない

『校内犯罪(いじめ)からわが子を守る法』
[著]森口朗 [発行]扶桑社


読了目安時間:3分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ



 最終章では、いじめから子どもを守るための制度改革、新しい制度の設計について述べます。新しい制度を設計するときに真っ先に想定するべきことは、何を目標にするかです。そこをしっかりと押さえなければ、制度改革が正しかったのかどうかさえ判らなくなるからです。後で検証できないような制度改革は為政者の自己満足に過ぎず、大抵の場合国民を不幸にします。

 そこで、常識的には「いじめをなくす」というのが目標になると思うのですが、NPOならともかく政府や自治体の目標として「いじめをなくす」ことを目標に据えるのは次の理由から不適切です。


 社会に「いじめ」が存在する中、学校をいじめ無菌状態にすることはリスクが大きい

 自分が気に入らない者を無視する。他人の能力に嫉妬してその人物の邪魔をする。そういった行動をも「いじめ」と呼ぶならば、古今東西すべての社会には「いじめ」が存在します。これをなくすのは政府には不可能ですし、万一可能であるとしても、そのためには人々の「自由」を代償にしなければならないでしょう。

 学校の制度設計を考える場合には、学校と社会との関わりを無視することはできません。児童生徒は学校を修了した後に社会に出ていかなければならないのです。だとすれば、ある程度「いじめ」に対する免疫をつけておくことは必要でしょう。そのためには、学校だけを「いじめ」無菌状態にするのは好ましい施策ではありません。


 「いじめ」が多義的で全体像を把握できない

 現在の「いじめ」統計がまったくのデタラメ統計であることは第2章で詳論したとおりです。学校にいじめがあったか否かを申告させている限り、「いじめをなくす」を政策目標に据えても、「学校は『いじめ』があっても申告するな」というメッセージにしかなりません。

 では、第2章で私が提案したように、いじめられたと感じたら「いじめ」1件とカウントすれば良いのでしょうか。違います。この統計により得られるのは、「いじめられたと感じた」事実に過ぎません。この統計によって子どもたちの学校での過ごしやすさが改善したか否かを測定する目安はできますが、この統計では被害妄想を排除できません。

 文部科学省統計でも「いじめ」の概念が揺れ動くように、人の行為を一義的に定めるのは極めて困難なことです。定義も定まらないものをゼロにするのは行政目標として不適切です。


 目標が非現実的である

 現在でも「いじめ」の件数は数万件で自殺件数の倍前後、交通事故死の10倍前後の件数が報告されています。統計を改善すればさらに増加すると予測されます。数十万件とかもしかすると百万件以上になるでしょう。それをゼロにするというのは政策目標としてまともではありません。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:0文字/本文:1121文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次