さて、現場からの報告を基に、「新学力観」による学校の混乱と「いまどきの若者」発生の因果性をさらに詳しく見ていきましょう。
新学力観を導入した人たちは、「教え込むから勉強嫌いになって学ばないのだ」と考えましたが、教え込むのをやめたらますます学ばなくなったのが現実でした。つまり、彼ら新学力観世代(という言い方はありませんが)は教え込まれた経験もなければ、自ら積極的に学んだ経験もないのです。せいぜい「調べ学習」と称した自由なレポートを提出することが本来の勉強だと思って高校までを過ごします。
この調べ学習こそが曲者で、彼らがそのまま私立文科系の大学に入学するとどうなるか。