臨教審から始まった新学力観は、さらにエキセントリックになってゆとり教育に行き着き、当時の薄っぺらな教科書を見て、ついに世間はその間違いに気づきました。それでも論争が始まった当初は、子どもの学力が低下しているから「ゆとり教育」をやめろと訴える論者と、低下している証拠はないという論者、低下してもかまわないという論者が入り乱れましたが、2000年代から始まったOECDの学習到達度テスト(PISA)の結果が芳しくなかったことで、論争は完全に脱ゆとり派の勝利に終わります。
さらにタイミングのよいことに論争が終結した直後に、日本の国力低下を憂うる安倍晋三氏が総理になったことで、ゆとり教育は教育施策としても完全に終わりをつげ、脱ゆとり教育へと舵が切られることが決定したのです。