私は先に、日本の子どもたち全員にエリートの心得を説くことを主張しました。誰がエリートになるか判らない日本社会で、少しでもましなエリートを誕生させるために不可欠ですし、「自分に多くを要求し、自分の上に困難と義務を背負い込む人」になろうとする姿勢は、社会のどの分野に進もうと大切だからです。
そして、それよりも大切なのが、誰をエリートとして選抜すべきであるかという基準を社会の成員が持っていなければ、デモクラシーは機能しないという視点です。だから、仮に自分は無理だと思う人でもエリートたる者はどういう人間でなければならないかをしっかりと知っておく必要があるのです。