ホッブズは潔癖すぎる清教徒の恐怖政治から逃れるために亡命しましたが、その清教徒の家庭に生まれ育ったのがロックでした。そこで、次にアメリカ独立戦争にもっとも大きな思想的影響を与えたロックが宗教や教育について何と書き残しているかを見てみましょう。
ホッブズが自然権という概念を認めながらも結局は絶対王政を擁護する思想に至ったのに対し、ロックは国家が国民の福祉に奉仕しないときには、国民は国家への信託契約を解除し政府を倒す権限があると考えます。
それは次のようなロジックによって導かれます。自然状態にあるとき、人は基本的に自由ですが、世の中の人間は善人ばかりではないので、その自由は非常に危ういものです。