19世紀半ばに共産主義者同盟という秘密結社の綱領として書かれた『共産党宣言』(マルクス=エンゲルス共著、1848年)は、世界中のインテリや若者に衝撃を与え、良心的な金持ちの子弟は罪悪感を覚え、野心的な貧乏人は勇気を得ました。その後、二人の著作によって共産主義思想は形づくられますが、彼らは思想界に大きな影響を与えたものの、現実の資本主義国家を倒すことはできませんでした。
しかし、ウラジーミル・イリイチ・ウリヤノフというロシア貴族の息子として生まれた一人の中年男により、共産主義思想は国家運営の理念として現実化します。