はじめに――
恋愛至上主義時代の乙女たちへ
いろんな男性からいつまでもチヤホヤされていたいというのが女心だとしたら、
いつかは誰かとしっかりと結ばれたいというのも女心だろう。
現代の恋愛はとても自由だ。
男女7歳にして席を同じうせずの時代に比べれば……というのはさすがに古すぎてアレだが、
70年代神田川世代に比べても80年代ジュリアナ世代に比べても、いやいや90年代のロストジェネレーションに比べても、ずっと自由だと思う。
この本を読んでる女性のみなさんが20代なのか30代なのか、それ以上なのかもしかしたら10代なのか、
いずれにせよ、きっとこれまでにいくつかの恋を経験してきたはずだ。
街にはそれなりに出会いがあふれている。
職場の出会い。学生時代の出会い。ナンパもあれば合コンもある。mixiみたいにネットで知り合うことだってある。
恋愛機会は単純に多い。
現代を生きているみなさんには実感がないかもしれないが、そろそろ現役引退にリーチがかかったいい年のオッサンであるぼくなどは、昔を知っているからこそ強くそう感じる。
an・anは意地でも恋愛特集をひとつは入れるし、この本のような恋愛本はあまた出ているし、カップル向けの店やプレイスポットがおいでおいでしている。
恋してなきゃ人にあらずぐらいの勢いで、「恋せよ乙女」の大合唱を聴かせられているかのようだ。
そんななかで、みなさんはいくつかの恋をした。
今、どんな気持ちでいるだろう。満足してる人ばかりじゃないはずだ。なかには物足りなさを感じている人もいるだろう。
恋はしてきたけれど、なぜか長続きしない。食い足りない。どこかかみ合わない……なぜか壊れてしまう。
そんな不完全燃焼感を抱く人も少なくないはずだ。
もっと深く愛し愛されたい。長く続く恋がしたいのに。
恋をすればするほど、そんな思いもまた、吹き出してくるのが現代じゃないのか。
また、男の立場で言うならば、女性が恋に積極的になってくれた反動で、本来男がやるべき恋の努力ってやつを、サボるようになった傾向も出ているように感じる。
だからよけいに、女性から見て、本当の恋が見つけづらくなっている。
カンタンに諦めすぎたりその逆だったり、ただなんとなくダラダラ付き合ってしまったり。
がっつり組み合う恋がしたいのに、それに気づかずその横をすり抜けて、見当違いの恋愛もどきに時間を潰してしまう……そんな不幸があるのかもしれない。
恋愛至上主義時代を生きる女性たちが、恋の大海原の中から見事あなただけの幸せを見つけられますように。
そんな思いを込めてこの本を書いてみた。
………………。(今、自分で読み返し中)
悪い。
カッコつけすぎだ。我ながら赤面しちまった。そこまで大層なもんであるかないかと問われれば、ない。
本を1冊読んだぐらいですぐに恋がうまくいくようになるわけはないから。
ただ、ヒントらしきものはこの本のなかにきっとある。そのぐらいのことは自負しているから、まぁ読んでみてくれ。