また九カ国条約では確かに「中国の自主性を認めよう」ということが決まりました。しかしこの条約には期限が定められていませんでした。そのうえに条約に入らなかったソ連が強力な武力を東アジアに集中させ始めるという重大なる状況の変化がありました。
さらに加えて、シナ自体がこの条約を全然守りませんでした。たとえば「ボイコットをしない」とか「外国人の安全をおかさない」ということも約束したのですが、それは全然守られないどころか、軍備の増強もしています。
期限を決めない条約で、しかも状況に重大なる変化があれば、これから退いても別に条約違反にはなりません。そういう目で見ますと、どういうことになるでしょうか。
まず一九一一(明治四十四)年に辛亥革命というものが起こりました。