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三沢から再び東京へ

『依存症』
[著]倖田梨紗 [発行]_双葉社


読了目安時間:2分
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 穏やかそのものだった青森県三沢市での生活も2年が経ち、私は小学校を卒業する年齢になっていました。


 私の小学校卒業、そして兄の中学卒業(といっても兄は学校にほとんど通っていませんでしたが)を機に、私たち家族は再び、東京の西東京市に戻ることになりました。


 なぜ青森を離れることになったのかは、あまり詳しい事情は知りません。兄は知っていたのかもしれないですが、私は小学校を卒業したばかりのまだまだ子供。祖父母と母の間で何かやりとりがあったのか、大人の事情を知る(すべ)がなかったというのが本当のところです。


 ただ、東京から青森に行くとき以上に、今回の引っ越しは寂しい気持ちにさせられるものでした。それはやはり、青森でできた友達たちと同じ中学校に通えないということが一番大きかったと思います。その一方で、大好きだった祖父母の近くに戻れるという思いもあって、なんだかとても複雑な気持ちのまま、三沢の友達にさよならを()げ、東京へと戻る飛行機に乗り込みました。


 


 東京に戻ってからの私たちは、以前のように祖父母の家に転がり込むことはせず、その近くにアパートを借りて暮らすことになりました。間取りは3DK。三沢の家に比べれば小さいですが、それでも母の部屋、兄の部屋、私の部屋とそれぞれに自分の部屋があるのですから、東京での暮らしとしては(ぜい)(たく)だったといえるでしょう。


 


 その頃になると、兄の反抗期も落ち着きを見せはじめていました。兄は定時制の高校に通うことを決断。母もそれまでのように水商売で生計を立てることをやめ、引っ越し屋さんの事務の仕事につき、真面目に働きはじめていました。


 


 家族3人。それぞれが波乱の日々も終わり、静かで穏やかな生活がはじまる――と母は期待したかもしれませんが、そうはなりませんでした。ここから、大きく道を()れていく家族が一人出てくるのです。そう、中学入学を機に、私はどんどん道を逸れていってしまうのです。


 

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