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高校退学。超束縛彼氏との壮絶な日々

『依存症』
[著]倖田梨紗 [発行]_双葉社


読了目安時間:5分
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 Yさんと縁を切るきっかけになったのは、Yさんに指示される形で暴行、そして恐喝をし、それが被害者の母親の通報によって警察の知るところとなった結果、補導され、鑑別所に送られたことだというのは、前の章で書いたとおりです。


 


 中学を卒業してから一応、通信制の高校に入学していましたが、そこは通信制といえど、週に2~3日登校しないといけない高校でした。ですが、中学にもほぼ通っていなかったし、“学校に通う”ということ自体が面倒臭く、意味のないものに思えていました。そのうえ、補導されるという事態が重なり、鑑別所を出た段階で、高校に通う意欲が完全になくなってしまった私は、退学することに決めました。


 


 Yさんたちと切れると、それ以外の友達はあまりいなくなります。高校もやめ、私はひとり(たい)()な生活を送るようになります。


 そんなときに、男友達に紹介されたのが、隣の市に住む同い年の男性。彼は暴走族などではなかったのですが、背が高く()せ型のヤンキー風な人でした。好みでもなんでもなかったものの、私の悪いところでもありますが、今回も特別扱いされるうちに好きになってしまいました……。とにかく押しに弱い。これは、いまでも変わっていないかもしれません。


 


 彼は中学を卒業し、防水工としてマジメに働いていたのですが、とにかく彼女に対する束縛がすごい人でした。


 まず、ケータイに登録してあった電話帳のデータはすべて消されて、写真もプリクラもすべて捨てられました。中学時代の人間関係は、Yさんの件で、ほぼ切ってしまっていたものの、それでも数は少ないけれど友達はいます。その連絡先すらも消されてしまいました。


 彼は自分の友達とだけ仲良くするよう強要し、昼間、仕事中でもしょっちゅう電話がかかってきます。新しくできた彼つながりの友達と遊ぶ際も、許可が必要。あまりにうるさいので、彼の仕事中だけ遊びに行こうと思ったら、何かを感じとるのか、その日は早く帰ってきてしまったりする。勘がいいのか、私が嘘をつけないタイプなのかはわかりませんが、とにかくバレたら恐ろしいことになります。


 彼にいわずに内緒で出かけると、自分の友達のツテを使って、私がどこにいるか突き止める執念深さがありました。私の自転車が自宅の駐輪場にないのを見ただけで、居場所を突き止め、「自転車なかったんだけど、出かけるの聞いてねえぞ。いま、下にいるから降りて来い」などという電話がかかってきます。


 ――え、なんでわかったの? 私にGPSでもつけているんじゃないの……。


 と怖くなるほどでした。


 休みの日は彼が大好きなスロットにつき合わされました。朝から並んで、閉店の22時までずっとスロットです。パチスロ屋でイベントがあるときには、平日でも仕事後に一緒に連れていかれました。しかも、その束縛ぶりは、つき合いが長くなるごとに激しくなっていきます。


 こんなことがありました。


 そのときは、すでにほぼ半同棲状態で、彼は私の実家に転がり込んでいました。私たちはいつも夜中にケンカをしていたので、よく母に「うるさい!」と怒鳴られたり、近所の人に通報されることも、たびたびあるほどでした。


 そんなことを繰り返していたので、別れようと思ったことも一度や二度ではありません。そんなあるとき、自宅の玄関の鍵を締めて彼を追い出したんです。これで自宅に帰るだろう。そう思いました。しかし、彼はすさまじい行動に出たのです。なんと2階のベランダまで()い上がってきて、窓をゴンゴン叩くなど、(しつ)(よう)につきまとう行為をはじめたんです。


 ――これはもはやストーカーじゃん。


 血の気が引いたのをいまでも鮮明に覚えています。


 実力行使じゃ刺激するだけだと思った私は、彼に対して冷静に別れ話をしました。彼も、「わかった。有紗がそこまでいうなら別れよう」と納得してくれるのですが、その言葉はその場限りのこと。「荷物取りに行くから」といわれて、家に上がり込む。そして、考え直すよう説得され、結局はやり直すということが何度も続きました。いま思うと、本当にダメな女ですね。


 ただ、当時の私には彼のつながりの友達しかいなかったし、ほかに好きな人もいない。別れたら本当に一人ぼっちになってしまう――。彼のお母さんやお姉さんとも仲がよかったので、彼以外とは離れたくない。そんな思いのほうが、別れたいという一時の感情よりも強かったのかもしれません。


 あまりに彼の世界にどっぷりハマり込み過ぎていた結果、関係を断ち切れずにいたんです。結局、そんな束縛彼氏とは、16歳から19歳までの3年半、ダラダラとつき合うことになります。


 彼は「何もしないでいいから家にいろ」というタイプの男だったのですが、私は束縛からの息抜きのため、ティッシュ配りなどのバイトをはじめました。その後、パチンコ屋でバイトをしはじめたのは、彼がパチスロ好きだったからです。彼の好きな場所でバイトをすれば許してくれるんじゃないかと思ったのですが、結局、パチンコ屋のバイトも2カ月ほどしか続かず、その後も、単発バイトをちょこちょこやって過ごしていました。


 同級生たちが高校生活を(おう)()している16歳から18歳くらいの時期、私は狭い世界でダラダラとした生活を続けていたことになります。もう一度、この時期をやり直せたら……叶うわけがない願望ですが、そう思ったことは一度や二度ではありません。


 ただ、18歳になったのを機に、私は外の世界に飛び出すことを決意することになります。


 

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