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(2021/11/26 追記)

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頑張るときはいつも今 ドイツ・ブンデスリーガ「日本人フロント」の挑戦
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ルポ・エッセイ
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職業・サッカー選手

『頑張るときはいつも今 ドイツ・ブンデスリーガ「日本人フロント」の挑戦』
[著]瀬田元吾 [発行]_双葉社


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 幸いボクは高校でも大学でも、その間で時間をロスすることはありませんでした。つまり留年も浪人もしなかったので、22歳で社会に出ることが出来たということです。それも、アマチュアリーグに所属するクラブとはいえ、そこで“職業・サッカー選手”として生計を立てる生活を、スタートさせることが出来たのです。


 学習院時代の同級生は、その多くが一流企業に就職していたし、筑波大の仲間たちも、教員採用試験に受かって教師になった者や、大学院に進学してさらに勉強する者、そして学習院組と同様に、一流企業で社会人となっていきました。


 そんな彼らからは、サッカーを続ける生活を選んだボクを(うらや)む声も少なくなかったし、ボク自身、それを誇りに思っていました。


 しかし、群馬では苦しい生活が待っていました。前述の通り当時のホリコシには、なんらかの理由でJクラブを解雇された選手たちが多く所属していました。彼らはここよりもはるかに厳しい競争社会の中で敗れてきた選手たち。つまりは、自分を切った人たちを見返したいと思っている人たちでもあったし、もう同じ過ちは犯さないと思っている集団でもありました。


 そんななか、大学から加入したボクは、完全に甘い考えを持っていました。部活動が仕事になった、という満足感の延長にいたことは認めざるを得ません。練習で簡単なミスを繰り返すボクに対し、毎日のように先輩たちから厳しい(げき)が飛んでいました。


 ピッチの上では誰もが攻撃的だし、多かれ少なかれ文句は言い合うもの。それは慣れっこでしたが、ボクがいい加減なセンタリングを上げたときに飛んできた声に、ハッとさせれられたことを今でも覚えています。

「いい加減にしろ お前のそのいい加減なプレーのせいで試合に負けて、みんなが職を失ったらどうするんだ!!


 こう怒鳴られて、返す言葉がありませんでした。決して適当なプレーをしていたわけではありませんが、これがサッカーを職業にするということなんだと、心底意識した瞬間でした。


 とにかくミスが多かったボクは、まわりにも評価されず、お荷物選手のように思われていたという自覚があります。一時期はこの環境から逃げ出したいと、本気で思うほど悩みました。逃げ出しても、ボクを羨んでくれていた仲間たちには、いいように説明すれば温かく迎え入れてもらえるんじゃないか、そんなふうにも思ったりしました。


 また、このチームの指揮を()っていた池田司信監督は、毎日きつい練習を用意して待っていました。「お前たちは技術がないからここにいるんだ。Jクラブに勝ちたいのなら彼らより多く走るしかない」と常々口にしていた池田監督の練習はとにかく厳しく、これがサッカーでメシを食うということなのか、と痛感する毎日でした。


 

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