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『叱る力』
[著]坂田信弘 [発行]_双葉社


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 坂田塾といえば子供たちをぶっ叩きながらゴルフを教える、スパルタ式塾のイメージをお持ちの方、非常に多いと思う。確かに私は、子供たちを叩いて教えてきた。


 しかし、坂田塾は「体罰」ではなく、「ぶっ叩き教育」だ。私がぶっ叩いて教えたかったのは、礼儀、礼節、そして、教わる者の責任である。


 私は体罰を与えたことは一度もない。体罰とは体を罰することだ。ダボを打った、試合に負けたなど、結果に対して手を上げたことはこの20年間、一度もない。結果が悪いのはコーチが悪い。つまり、私が悪いことになる。成績の上がらん人間をコーチがぶっ叩くのはおかしな話だ。殴られるべきはコーチである。



 あれは、熊本塾1期生の古閑美保たちが、小学6年生のときだった。塾生を連れて1215日から1月7日までの24日間、タイ・バンプラで合宿をした。その最終日、タイの民族舞踊を見ながら食事できるレストランに、塾生たちを連れていった。騒ぎたい盛りの子供たち。食事が済むと舞踊には見向きもせず、そこら中を走り回って騒ぎ始めた。あのときは、高校生だった私の長男の雅樹も一緒だった。

「おまえら、騒ぐな! オヤジが本気で怒ってるぞ!!


 と雅樹が(いさ)めたが、聞くもんじゃない。舞踊が終わり、私は黙って外へ出た。子供たちも出てきた。私は塾生全員を道路の端に、一列に並ばせた。そして、頭を引っ叩いて言った。

「おまえたちは、将来プロを目指す人間だ! おまえたちがプロゴルファーになり、球を打つとき、周りの人間にしゃべられたり無視されたら、どんな気持ちになるか考えてみろ! おまえたちがプロを目指す人間なら、舞台で踊っていた人たちはプロだ。プロにはプロに対する礼儀、礼節がある。それはおまえたちがプロを目指すうえで一番大切なことだ!! お前たちは体も心も子供だが、クラブを握ったら、その瞬間からプロ一歩手前の人間であることを自覚せい。今日のおまえたちは許せん。練習禁止だ! 坂田塾は1カ月、休塾とする!!


 タイでは子供の頭は非常に神聖なものとされている。その地で、私は子供たちの頭を叩いた。


 叩かれ怒られたうえにゴルフもできんようになった子供たちは、帰国後、そのことを親に言った。だが、親からのクレームは1件もなかった。



 私は教育者ではない。24歳のときに初めてゴルフクラブを握り、27歳と11か月でプロテストに合格。以来、球叩き稼業の中で生きてきた。今、指導者と呼ばれるようであるが、我が心は常にトーナメントプロのまま。その心に変化はない。


 三流半のプロゴルファーではあるが、ゴルフというものを通して子供たちに、一芸から得る忍耐力を与えてきたつもりだ。そして、礼儀、礼節を教えてきた。結果は問わない。結果は巡りものだ。しかし、努力は積み上げものである。積み上げれば積み上げるほど、その生き様は、(たくま)しく健気に一途になっていく。


 私の子供たちとの旅は20年続いてきた。まだこれからも続く。目指すは世界一。お付き合い下さい。

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