毎回、学期末になると、坂田塾に通う者、小学4年生から高校3年生まで、私は塾生全員に通信簿の成績を発表させてきた。昔からそうしてきた。
最初は誰もが隠す。でも、1人、2人と塾生の前で発表する者が現れると、つられてみんな発表するようになる。今じゃ、全員がみんなの前で発表する。1が幾つ、2が幾つと、平気で言えるようになってきた。
コンプレックスは宝であり、ガジュマルのように大地に深く根を張るコンプレックスこそが大切にせねばならぬものだと私は考えている。通信簿の成績など、その顕著な例でありましょう。学業成績が悪ければ、コンプレックスとなる。しかし、そのコンプレックスを良性に転化し、生かしていくには、通信簿の1は恥ずかしい事ではないと認識させ、さらけ出す意識を持たせればよいのではあるまいか。