トーナメントプロ時代、試合での楽しい思い出は十本に余る。成績が悪過ぎた。
誰も振り向いてはくれない。成績の上がらんツアープロになど、世間は見向きもせんからね。本当に、誰も寄って来ちゃくれなかった。
私のプロ入り同期には、中嶋常幸がいた。尾崎健夫がいた。あの2人には、プロ入り前から多くのゴルフ関係者、企業、そして支援する人たちが群がっていた。羨ましくはなかった。2人の周囲の騒々しさ、その環境に興味はなかった。それより一刻も早く、試合に出て賞金で食えるプロになりたかった。正直申せば人気という、他人からの評価なんぞに目を向ける余裕はなかった。