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スティーブ・ジョブズと同時期に携帯のインターネットマシン化を予測

『孫正義秘録』
[著]大下英治 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:4分
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 ソフトバンク社長の孫正義が、携帯電話事業に照準を定めたのは二〇〇四年のことであった。

〈携帯電話のインターネットマシン元年は、もう目の前にまで来ている〉


 携帯電話にとってエンジンにあたるCPU(中央演算処理装置)の性能が格段に上がり、高度な処理ができる見通しがたち、携帯電話でのインターネット通信速度が、パソコンに負けないほどの速度になる。さらに、携帯電話の画面が、大きく、見やすくなる。さまざまなテクノロジーの進化が、ユーザーのインターネットとの付き合い方を変えていく。パソコン中心だった接続が、携帯電話中心となる。


 そのスタートとなる、いわゆる、モバイルインターネット元年は、二〇〇八年となる。


 つまり、孫は、一〇年以上前に現在のスマートフォーン時代を予見していた。


 孫は、携帯電話事業に進出するために、総務省に対して、許認可を要請した。しかし、総務省は、表向きは新規参入を歓迎する立場を取りながら、あきらかに新規参入を拒んでいた。NTTドコモやauの既得権益を保護する姿勢を取りつづけていた。孫は、行政訴訟を起こし、総務省と闘った。


 そのいっぽうで、孫は、カリフォルニア州クパティーノへと飛んだ。Apple社の共同設立者スティーブ・ジョブズに会うためであった。


 スティーブ・ジョブズは、一九五五年二月二四日、カリフォルニア州サンフランシスコで生まれた。大学院生だった未婚の母の元に生まれたジョブズは、生まれてすぐ労働者階級の夫婦のもとに養子に出される。リード大学に進学するが、経済的問題もあり、半年で中退する。世界初のビデオゲーム会社ATARIにしばらく勤めたあと、スティーブ・ウォズニアックなどとともに自宅ガレージにApple社を創設した。しかし、一九八五年にAppleを追放され、NeXT社を創設。その技術は高く評価されたが、最終的にはビジネスとして大失敗に終わった。ジョブズの口車に乗って投資した人、企業も多く、「おおぼら吹き」「詐欺師」の悪名を取った。


 一九九六年、NeXT社はApple社に買収され、翌年、ジョブズは暫定CEOとして古巣に返り咲いた。


 ジョブズは開発部門の徹底的リストラを行い、互換機路線をシャットダウンして多くの人の怒りを買った。しかし、一九九八年のiMac投入により、Appleの黒字転換に成功した。


 この間、旧OSであるMac OS9を葬り去り、Mac OS Xに移行させて、物議を醸した。二〇〇二年のWWDCにおける基調講演において、ジョブズは、OS9を棺桶に入れるパフォーマンスを演じ、旧OS信者を激怒させた。


 そんななか、二〇〇一年一〇月には携帯音楽プレーヤーのiPodを発表。自信たっぷりのジョブズだったが、大方の反応はひややかであった。しかし、二〇〇二年七月にWindows対応のiPodを発表。急速に支持を集めるようになった。


 孫は、ジョブズの前に、ソフトバンク独自のアイデアを起こした図面を広げた。

「iPodで、こんな携帯端末をつくってみませんか」


 広げた図面には、Apple社が開発した音楽プレイヤー「iPod」と携帯電話を組み合わせた、新たな携帯電話端末が描かれていた。


 孫は、総務省の認可が下りる前の段階で、すでに携帯電話端末の開発をはじめていた。


 ジョブズの、インテリジェンスのにじみ出る彫りの深い顔に、満足げな笑みが浮かんだ。

「おもしろい」

「どうですか、ぼくらとともにつくってみませんか?」


 ジョブズは、微笑みを絶やさなかった。

「面白いが、これは、自分でやる。自分で設計する。なにも、おまえの提案に乗るわけじゃない」


 そう言ってから、つづけた。

「その前に、まずは、携帯電話事業の認可を取ったほうがいいね」


 その瞬間、孫は、直感めいたものを感じとった。

〈スティーブ・ジョブズは、すでに同じようなものの開発を進めている〉


 孫の提案に驚いていたからこそ、ジョブズは満面の笑みを絶やさなかったのかもしれない。


 孫の予想したとおり、スティーブ・ジョブズは、すでに、iPodの携帯電話端末化にむけて、超極秘プロジェクトを進めていた。アップルの社員ですら一〇人ほどしか知らなかった。二〇〇七年一月九日、スティーブ・ジョブズがMac world初日の基調講演で発表し、世界的に脚光を浴びる携帯電話端末「スマートフォン」、いわゆる、iPhoneである。


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