ボーイ・バンド ジャクソン・ファイヴ
ボーイ・バンドとはアイドル的人気をもつ若い男性グループのこと。ボーイ・バンドと聞くと、ほとんどの人は一九八〇年代以降のグループを思い浮かべるものだが、ポップスの歴史を振り返れば、それ以前に活躍したグループも少なくない。
一九六〇年代に一世を風靡したテンプテーションズをその一つと考えることもできるし、同じく六〇年代後半に人気を博したザ・モンキーズも、テレビ番組「ザ・モンキーズ・ショー」のために「作られた」グループではあるものの、ボーイ・バンドの一つであることに変わりはない。ラテン系の男の子を集めたアイドルグループ、メヌードが結成されたのは一九七七年だ。七〇年代前半に伝説的成功を収めたジャクソン・ファイヴも、ボーイ・バンドと呼んでいいだろう。
豆知識
「アイドル系」やクールなワルといったイメージの「不良系」、「さわやか系」など、ボーイ・バンドのメンバーは一人ひとりがそれぞれ異なるキャラクターをもっていることが多い。
女性グループ 一九六九年のファニー
女性グループの誕生は、男性グループよりもさらに時代をさかのぼる。
女性グループが音楽界に登場するのは一九五〇年代後半から一九六〇年代初めにかけて。アメリカのフィル・スペクターをはじめ、レコード会社所属の作詞家・作曲家らの楽曲を世に送りだすために、音楽プロデューサーやレコード会社がプロデュースしたものだ。だがその後、一九六〇年代半ばから後半になると、女性グループの人気は陰りを見せ始める。ブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれるイギリス系アーティストの爆発的活躍や、ビートルズ、ボブ・ディランといったアーティストに触発されて進化するポピュラーミュージックの台頭がその原因だ。ソウルフルで気取らないサウンドを獲得して生き残ることができたのは、スプリームスやマーサ&ザ・ヴァンデラスなど、一握りのグループだけだった。