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小泉純一郎・進次郎秘録
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政治・社会
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世耕官房副長官が語る、小泉政権と安倍政権の相違

『小泉純一郎・進次郎秘録』
[著]大下英治 [発行]イースト・プレス


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 小泉政権と安倍政権の違いについて見てみよう。現在、第三次安倍内閣で官房副長官を務める世耕弘成は、まず、第一次安倍内閣と第二次・第三次安倍内閣の違いについて語る。

「安倍総理は、もう伸び伸びとされています。自分が正しいと信じる政策に集中して、取り組んでいますからね。迷いがないわけです。


 第一次安倍内閣の時には、わたしも含めて、周囲の人たちが色々とアドバイスをすると、『そうかな、どうかな』と悩んでしまうところがあったわけです。


 例えば、一番典型的だったのが、当時は、ぶら下がり会見がありました。最初は記者を見て、一生懸命話していました。そうすると、『カメラを見ていない、国民から目を背けている』という批判が来るわけです。周囲もそういう批判があることを伝えるわけです。そうすると、安倍総理は、今度はカメラを一生懸命見て話す。すると、今度は『カメラ目線で気持ち悪い』と批判されました。安倍総理にしてみたら、いったいどっちなんだとなるわけです。


 ところが今回は、われわれは、そういうアドバイスを逐一しないようにしています。もう、安倍総理のやりたいようにやってもらえればよいと思っていますし、総理自身もそういうつもりでいます。ですから、アドバイスを言う人がいても、話を聞いたら、『ありがとう』という感じで送り帰しています。だから、基本的には安倍総理がご自身の判断で決めています。ですから、ぶら下がり取材もやめました。


 これも安倍総理の判断です。国のトップが一日二回もメディアの前に出てコメントを出すというのは、世界的に考えてもおかしいですからね。アメリカ大統領なんか、月に一回、自分の好きなテレビに出るだけです。議会で話すのは、年に一回、一般教書演説だけです。


 またこれまでは、記者クラブが決めていた単独インタビューのルールというのがありました。まず新聞何社のインタビューを受けたら、次はNHK、次はこの新聞に出て、その次に民放のどこと、全部順番を記者クラブ側が決めていたんです。今までは、ずっとそれをやってきました。


 安倍総理はこの仕組みはおかしいだろうと断ち切りました。取材というのは、本来、取材する側と受ける側の丁々発止の駆け引きなのですからね。


 本来なら、『こういうテーマでインタビューしたい』と提案を受けて、対応を考えるわけです。もちろん、テーマ以外の話にも当然なりますが、そういう丁々発止のやり取りのなかでインタビューは成立していくものですが、最初から順番が決まっているのはおかしいだろうということで、自分が出たい、受けたいと思った取材を受ける形に切り替えました。もちろん、特定のメディアに偏らないよう配慮はしていますが。


 総理大臣のゴルフも、事実上、森喜朗内閣時代の平成一三年二月に起こり、その時、森総理がゴルフをして対応が遅れたことで非難を浴びた「えひめ丸」事故以降は誰もやらない暗黙のルールになっていました。が、安倍総理は就任直後から解禁した。


 このときは、さすがにわたしも少し心配になって、『贅沢な遊びをしているという感じになりませんか』と言ったら、『これは自分の健康管理のためにやっているのだ』とおっしゃっていました。緊急時の連絡と移動の体制を確保してやるには問題はないはずだから、堂々とやると言って、ずっと毎月一回ぐらいのペースでやっています。このあたりも、すごい自信の表れが大きいと思います」


 高支持率の第三次安倍内閣だが、小泉総理と安倍総理の違いについて、世耕は語る。

「小泉総理は、ワンフレーズ・ポリティクスもそうでしたが、話題をつくるのが上手でした。野党だけではなく、自民党との揉め事を敢えて起こしていました。そこで大立ち回りをしている自分の姿を国民にはっきりと見せて関心を呼んでいました。


 小泉さんだけでなく、飯島総理秘書官の演出の巧みさだと思いますが、そういう演出をしながら、支持率を維持していましたね。


 ただ、その一方で、裏側では、着実に色々な仕事をされていました。でなければ、長期政権はできません。


 安倍総理はどちらかと言えば、そういう小泉さんのような大立ち回りはしません。ただ、きちんと国民に対して、こういう政策を自分はやりたいということを一生懸命に言って、それを少しずつ進めていくことで支持を集めていると思います。


 政治状況も、今は違います。小泉さんのときはアップダウンが激しかった。落ちる時はドーンと落ちるし、上がるときはグッと上がる。それで高水準をそれなりに維持するというやり方でしたが、第二次・第三次安倍内閣の場合は、当初は少しずつ落ちていきましたが、今は、ずっと一定のところにいます。


 わたしが見ていて思うのは、四五ぐらいのところに岩盤があるんですね。だから、政治とカネの問題が閣僚に出て、下がるかなと思った時には、確かに下がり出しましたが、四五ぐらいで踏みとどまってくれましたね。


 おそらく、安倍政権の個別の政策に対しては賛成・反対の意見を持っている人もいますが、とにかく安定した政治をやってほしい、と切望している国民が多いんだと思うんです。


 だから、「個々の政策には賛否はあるけれど」、という人たちの支持もある程度得られているのではないか、と思います。


 われわれとしては、ともかく仕事を一個一個地道にやりとげることを重視しています。


 例えば、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)も、もう大詰めです。TPPの中身についての賛否と、TPPという難しい問題に逃げずに取り組んだこと自体の評価は別なんですね。難しいテーマについて、日本国内の利害関係者たちに一定の納得をさせて、農水族の多い自民党内も最終的に納得をさせて、しかも交渉上手なアメリカと長い交渉をやって、日本の守るべきところを守る交渉をすれば、評価してくれる国民もいるんです。物事を前に進めること自体を評価してくれる国民もいますからね。


 原発再稼働もそうです。反対の人たちはたくさんいますが、安全を大前提として、エネルギーコストやCO2削減についても冷静に考えて、原発再稼働というテーマに取り組んでいる姿勢を評価してくれる人もいます。


 集団的自衛権もそうです。戦後初のことでもあり賛否はあるわけですが、激変する東アジアの安全保障環境に正面から向き合って、閣議決定をやって、さらに法制化に取り組もうとしています。その取り組みを評価してもらえるのだと思います。小泉さんの手法とは、若干スタイルが違うと思いますが」


 官邸内での役割分担やコミュニケーションについても、凄く順調だと世耕は語る。

「お互いに情報交換を緊密にやっています。それぞれの得意分野を中心に、省庁縦割りにならないように目を光らせていますね。


 わたしは、広報戦略や、霞が関は、まだその重要性に気付いていないが、早めに手を打っておいた方がいい課題に取り組んでいます。


 ()(とう)(かつ)(のぶ)副長官は、予算や法律を中心に取り組んでいます。加藤さんと僕の共通点は、国会対策ですね。国会との連携を丁寧にやっています。これが実は官房副長官の重要な任務なんです。


 わたしの場合は、参議院の国対との関係づくりに優先するものはありません。わたしは、毎朝、参議院の国対の会議に行って、壁際で傍聴しています。これも前の政権のときの反省ですね。国会は国会で勝手に動いてしまい、国会日程と、官邸の考えていることが合わなくなることが頻発したんですね。今回はそういうことがまったくないですから。安倍総理の意向も早めに国会に伝えるし、逆に、国対の動きも早めに総理に伝えています。


 例えば、年度内成立が非常に厳しかった案件がありました。これを三月三一日までに通せるかどうか。国対からは『厳しい、年度をまたいだ成立にならざるを得ない』と言われていました。それを総理や長官に伝えると、『それでは行政執行上の支障が出る。何としても三月三一日までにやってくれ』という意見でした。


 それでわたしは、『総理と長官の意志は固いです。すいませんが三月三一日までに成立させてください』と伝えました。そうすると、国対から『悪いけど、予算委員会は長くやるよ。テレビ中継入りも、カードとして切らざるをえないよ』と伝えられ、今度は総理に『三月三一日までに通すためには、テレビ中継入りの質疑を増やさざるを得ません』と話し、総理にその必要性を納得してもらいました。


 そういうコミュニケーションがちゃんとできているから、国会との関係も機能しているんだと思います」


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