「あのときの私はバカだった」とは思うものの、「では、あの期間の私の行動は本当にムダだったのか」と問われれば、決してそうは思っていない。
今考えてみても、あの金の使い方は本当に異常だった。だが、「やらなければよかった」とはまったく思わない。身銭を切る価値のあるものだったと思っている。
なぜなら、たった1~2年だったとはいえ、私が人生のなかで、あのときほど「金」の威力を思い知ったことはなかったからだ。金さえ出せば誰にでも手に入る高級な家や車、服だけではない。女、尊敬、名誉など、これまではいかに欲しくてもお金では決して買えないだろうと思っていたものが、金を使った途端に、おもしろいほど私の手に転がり込んできたのだ。