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嘘だらけの日韓近現代史
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歴史
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はじめに――『人間・失格』の半島

『嘘だらけの日韓近現代史』
[著]倉山満 [発行]扶桑社


読了目安時間:7分
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 本書の題名は『嘘だらけの日韓近現代史』です。何と危険な題名でしょうか。


 一昔前に“日韓”などと銘打った本を書けば、「韓国のイヌ、手先」「右翼」「軍国主義者」「ファシスト」「アジアのヒトラー」「人類の敵」などと石を投げられ、一生どころか七代末の子孫まで「親韓派」として差別されかねないほど危険な題名でした。


 今でこそ韓流ドラマに有閑マダムが熱狂したりしていますが、一九八〇年代までの朝日新聞なら「暗いファシズムの影を感じる」「いつか来た道に逆戻りだ」「軍靴の音が聞こえる」「防衛費GNP1%枠を死守せよ」と、毎日「天声人語」で警鐘を鳴らしかねないほどの事態です。つくづくいい時代になったものです。最後の「防衛費GNP1%枠を死守せよ」は一見、関係ないようですが、朝日新聞に論理的整合性を求めても無駄なので気にしないでください。今はGDPですが、GNPを使っていた昭和末期は、そういう訳のわからない言論が罷り通っていたのです(今もあまり変わりないような気もしますが)。


 なぜ『嘘だらけの日韓近現代史』という題名が危険なのか。あの半島を「韓」と呼ぶと「朝鮮半島だろう!」と怒り出す人がいるのです。たとえば、「韓国語か、朝鮮語か」「韓半島か、朝鮮半島か」「韓国戦争か、朝鮮戦争か」……言い方ひとつで韓国人か朝鮮人のどちらかが敵になってしまう。お互いに「我こそは、◯◯半島の正当な支配者だ」と主張しあっているから問題なのです。


 韓国嫌いが多いインターネット掲示板などでは「韓国と呼ぶな! 南朝鮮と呼ぼう」という意見をよく聞きます。しかし、韓国を「南朝鮮」と呼ぶのは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の公式見解です。韓国嫌いのあまり、親北朝鮮になっては本末転倒です。韓国を「下朝鮮」と呼ぶネットユーザーもいるようですが、では、日本人を拉致して返さない連中が「“上”朝鮮」なのでしょうか。


 言葉づかいひとつとっても、「中正」「中立」「客観」「実証」による歴史が最初から描けないのが、朝鮮半島の歴史です。


 ついでに言うと、昔は「北鮮」と呼ぼうものなら、「差別だ」と朝鮮総連系の団体が抗議に来るので、基本的には「北朝鮮」という略称を使いながらも、一度は正式名称を読み上げるのが慣行になっていました。こんなことをしているのは(世界中で唯一!)日本だけです。しかし、平成十四年(二〇〇二年)九月十七日に北朝鮮による拉致を実行犯の金正日が認めてからは、日本のマスコミもさすがに、長ったらしい正式国名を読み上げるようなバカなまねはやめました。産経新聞に至っては、この日を境に「北」という蔑称を平気で紙面に登場させています。こういうことをすると上品ぶって顔をしかめる人がいますが、産経新聞の記述はまったくの文明国基準だと言っておきましょう。


 ついでに言いますと、北鮮の正式略称は「共和国」ですが、こんな「我が国」みたいな意味の略称をおしつけようとして、さすがに日本の全マスコミが拒否しています。ただ、正式名称を一度は読み上げるという妥協をしてつけあがらせたのは、そもそも日本人です。この罪は重い。あ、三行前の「北鮮」ですが、誤植ではありません。わざとです。


 本書では、まさか拉致被害者である日本人を返さない北朝鮮を正当な政権だと看做すわけにはいきませんから、「日韓」の「韓」は韓国を朝鮮半島の正統政権とし、朝鮮半島の前史を描くときは、基本的に韓国の立場を優先し、また、日本での慣用的な用法を優先します。たとえば「韓国戦争」ではなく、「朝鮮戦争」とか。



 私は、これまで『嘘だらけの日米近現代史』『嘘だらけの日中近現代史』を書いてきました。本作は「嘘だらけシリーズ」三部作の完結編となります。もしご好評をいただけましたら「帰ってきた嘘だらけシリーズ」として『日露』『日英』もまとめたいと、全シリーズを通じて編集を担当していただいている扶桑社の犬飼孝司さんと韓国焼肉屋で打ち合わせをしていますので、乞御期待。半分冗談、半分夢ではありますが、書きたいことはたくさんありますので、読者の皆さんに喜んでもらえるよう、本作でも全力を尽くして頑張ります。


 とはいうものの、色々な理由で本作については乗り気がしないのも本心なのです。ひとつは、「嘘だらけシリーズ」全作を通じてのテーマが「日本人の自虐的な歴史認識と歪なナショナリズムを正す」ことだからです。


 第一作のアメリカに関しては、憎き相手でありつつも仲良くしていかなければならない同盟国に対して、事実に基づかない不必要なコンプレックスを抱いてはならないという観点から、日米関係史を描きました。


 第二作の中国は、単純なアメリカへの反発、あるいは日本人が中国人の嘘に騙されて抱いてしまった幻想に対し、これまた変なコンプレックスを抱かないようにと、日中関係史を描きました。


 米中両国とも大国であり、悲しいかな日本よりも強い国です。だから、書き手としては「アメリカ(中国)に騙されるな。あいつら、今は威張っているけど、我々がコンプレックスを抱く必要なんてないんだ」、こちらも「今までやりたい放題やられているんだから、この程度は書いて問題ないだろう」と言えたのです。


 問題は、朝鮮半島です。コンプレックスを抱きようがない相手なのです。韓国は、「イアンフ」だの「靖国」だの「教科書」だのと歴史問題が持ち上がるたびに、「日帝支配三十六年」「公式な謝罪と賠償を要求する」と因縁をつけてきますが、日本は韓国とも北朝鮮とも戦っていません。むしろ、いっしょにアメリカや中国と戦っていた仲間なのですが、日本が負けた途端に裏切って、略奪や婦女暴行の限りを尽くしたのが当時の朝鮮人でした。こうした基本的な事実も知らずに、「相手があそこまで言うのだから、ここは譲って」とやるから、ますます話がこじれるのです。戦争に負けた訳ではないのでコンプレックスを抱きようがないのは理の当然なのですが、事あるごとに挑発されては、日本人としても「いいかげんにしろよ」と言いたくなるものです。


 しかし、負けた訳ではないし、本気になって喧嘩をしたら間違いなく勝ってしまう相手を全力で叩くというのも、また気が引けるものです。どうにも、やりにくい。


 要するに、韓国人は『人間・失格』の人たちです。『人間・失格』の人たちを相手にする本を書くのは、何となく気が乗らない。しかし知っておかねばならない事実というものがありますから、あえてそういう言い方をしましょう。ここで「そんな言い方は良くないよ」などという学級委員会的早とちりは無視させていただきます。


 私の本の常連読者の皆さんは、太宰治の『人間失格』を思い出したかもしれませんが、そちらではありません。よく見てください。真ん中に中黒があります。


 野島伸司さん脚本のTBSドラマ『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(平成六年放映)のことです。息子を自殺で失った父親の復讐物語で、赤井英和主演で話題になりました。息子役の誠(堂本剛)は、明るくて頭も良く正義感が強いという設定でした。しかし、いじめを受けていた同級生の和彦(黒田勇樹)を助けたら、今度は自分がいじめの標的になり、自殺してしまいます。挙句は当の和彦がいじめのリーダーになるという、救いのない話です。まさに現在の日韓関係は、『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』と同じです。もちろん、誠が日本、和彦が韓国です。


 本書は、アメリカや中国とはまったく違った意味で厄介な隣人との付き合い方、あしらい方を歴史に即してお話ししていきたいと思います。

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