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泣いて、病んで、でも笑って
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ルポ・エッセイ
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児童保護施設と精神科病棟

『泣いて、病んで、でも笑って』
[著]今井メロ [発行]_双葉社


読了目安時間:2分
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 プチ家出を繰り返すことで、両親に反抗すると同時に、苦しさを理解してほしいとSOSの信号を送っていた私。それでも事態は一向に変わらず、思いあまって“外”に助けを求めたことがある。


 近所に、子供の絵が描かれた旗を掲げている家があった。子供の「駆け込み寺」のような場所だった。私は、その家に行って訴えたのだ。

「お父さんにぶたれて怖いんです。助けてください」


 このことがきっかけとなって、私は自らの意思で児童保護施設に入ることになった。


 そこには、私と同じように、家庭の事情を抱えた子供が大勢いた。ひと部屋六人の共同生活。プライバシーはなかったけれど、家にいるよりずっとよかった。

「やっと解放された~」


 そのときの正直な気持ちだ。父のスパルタ教育から逃れられたことに、私は心底ホッとしていた。穏やかな気持ちで暮らせる環境がやっと手に入ったと胸をなでおろした。



 施設に入っているとき、生まれて初めて過呼吸になった。はぁ、はぁ、はぁ……と息が荒くなり、呼吸がうまくできなくなったのだ。


 そのため、施設の勧めもあり、一時期、私は精神科病棟に入院した。そこは、私にとって、施設よりももっと安心できる場所だった。施設では、親が面会に来れば会うしかない。職員の人に会うように促されるからだ。でも、病院なら「会いたくない」と言えば、本人の意思が尊重される。親は何度も会いにきてくれたけれど、私は一度も会おうとしなかった。そのうち、兄が父からの伝言を持ってやって来るようになった。

「病院に入って安心してんのか? おまえはどこも異常がないのに、現実から逃げてるだけだろう」


 兄を介して伝えられる、こんな父の言葉には耳を貸さなかったけど、いつかは退院しないといけない。私の安らぎは、永遠には続いてくれなかった……。入院していた時期も含めて、施設で一年ほど生活し、そこから中学校にも通っていた。でも結局、私は家に戻ることになった。


 私の居場所はここしかないんだろうか!?


 息苦しさを覚える自分の家。私はいつも、ここから“解放”されることを考えていた。



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