『泣いて、病んで、でも笑って』
[著]今井メロ
[発行]_双葉社
「何時やと思ってるんだ!?」
案の定、家に帰ると父の罵声が飛んできた。
父に本当のことを言えるはずもない。悲しませちゃいけないと思ったし、怒られるかも、という怖さもあった。
どこかで思い切り泣きたかった。誰かに話を聞いてほしかった。けど、私には泣く場所もなかったし、相談できる相手もいなかった。
その日は、何ごともなかったかのように、いつもと変わらず夜の一〇時、一一時までトレーニングを続け、寝る前に布団の中で少しだけ泣いた。