『泣いて、病んで、でも笑って』
[著]今井メロ
[発行]_双葉社
小学校も中学年くらいになると、女子たちは自分が“女の子”であることをガゼン楽しみ始めるんじゃないかな?
私の周りの子たちもそうだった。カワイイ洋服を着て、髪の毛を伸ばしてオシャレして、「かわいいやろ」なんて、みんなで言い合っていたっけ。
でも、それって、私には別世界。周囲の子が“女子”を楽しんでいるときも、私はひたすらトレーニングウェアで練習に明け暮れていた。それに、小学生の女の子にしては力もあったし、色も真っ黒だったし……。周囲も私のことを女の子としては見てくれなかったし、自分自身でも、女の子を楽しむ余裕なんて、まったくなかった。