高校を卒業すると希望どおり、私は本格的なイタコ修行に入りました。
いよいよ、修行に専念できる!
また一歩、イタコに近づけたという嬉しさを私はかみしめました。
学校生活はそれなりに楽しいものでしたが、実は、週末に修行しているときのほうが、学校にいるときよりもホッとできたのも事実です。
当時は思春期ですから、人間関係などでいろいろ思い悩むこともあります。基本的にひとりが好きな私は、友人たちからの誘いも、時にはわずらわしく思ったこともありました。
そんなとき、師匠の家で手伝いをしたり経文を勉強したりしていると、心のザワザワが静まり、落ち着いてくるのです。