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キャンプに連れて行く親は、子供を伸ばす!
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■「感性」に欠ける最近の子供たち

『キャンプに連れて行く親は、子供を伸ばす!』
[著]坂田和人 [発行]扶桑社


読了目安時間:5分
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 キャンプと聞いて、あなたは何を思い浮かべますか? テントで寝たり、野外料理をしたり、みんなでキャンプファイアーを楽しんだり……そんなところかもしれません。もちろん、一概にキャンプといっても、初心者から熟練者まで、スキル(技術)によって、できる内容は違いますし、その目的や場所、参加者(団体、家族、友達同士など)によってもキャンプの中身は大きく違ってきます。

 ただし、中身は異なっても共通している大前提があります。それはキャンプが、自然の中(野外)で行う、魅力満点の「非日常的」(モノに頼らない)体験であるということです。

 もし明日、初めてのキャンプへ出掛けるという小学生の胸の中をのぞいてみれば、期待と不安でドキドキ、ワクワクしているに違いありません。いつもは親と一緒に、自分の家で寝ていたのに、違う場所で違う人たちと寝るだけでも興奮は隠せません。それに加えて、大自然の中には、都会の生活とはまったく違う、見たことも聞いたこともない世界が広がっており、子供たちが経験したこともないような冒険が待っているハズなのです。これでは、「ドキドキ、ワクワクするな」と言う方が無理でしょう。

 キャンプには、もう一つ大事なことがあります。基本的に、「自分のことは自分でする」という自己責任の原則です。

 食料や水の調達、火を焚くための薪の確保、自分が寝る場所の設営。そして、あらゆる危険から自らの身を守ること。いずれも自分の責任でやらねばなりません。「お金を出せば何とかなる」という都会の生活とは違います。逆に言えば、だからこそキャンプは面白いのです。

 さて、質問を変えてみましょう。子供たちの成長にとって、最も大事な体験とは何でしょうか?

 それは、机に向かって勉強することでも、パソコンでネットサーフィンをすることでもありません。自然の中でたくさんの友達と一緒になり、泥まみれになって遊ぶことです。思いっきり身体を動かし、冒険をして、色々な物を見たり、触ったり、匂いを嗅いだり、耳を澄ましてみたり……五感を使って様々なことを感じることが、子供の成長に大切な「感性」を育むのです。

 また、異年齢で構成される集団の中で遊ぶことや、時にはケンカをすることによって、知らず知らずのうちに、子供同士の“オキテ(礼儀、約束事)”を学び、自分の役割を知り、社会生活には不可欠なコミュニケーション能力を磨いていきます。こうした過程において、他人の痛みを感じたり、思いやったりする「感性」が養われます。この「感性」の集合体が『心』です。「感性」と「知性」のバランスの良い発達こそが子供たちには最も重要なのです。キャンプには、それを補い伸ばす要素が凝縮されています。

 そのことは、おいおい説明していくとして、ここで、現代社会が子供たちを取り巻く状況をちょっとのぞいてみましょう。

 学歴社会の中で、多くの大人たちは、子供の「感性」ではなく、「知性」(勉強)を上げることばかりに懸命になっているように見えます。幼いころから塾通いをさせ、偏差値のアップダウンに一喜一憂。少子化で子供の数が減っていますから、基本的に親や先生の目や手が子供に届き過ぎ(構い過ぎ?)ます。一人当たりの子供に掛けることができる金額も、昔に比べてずっと多い。その結果、親は本来、使う必要のないお金を使わされ(幼時からの塾通い、習い事など)、子供が求めるまま、高価なゲーム機や携帯電話を与えてしまうのです。これでは、子供たちが、「成績さえ上がれば、何でも買ってもらえる」「ねだれば、親は言うことを聞いてくれる」と勘違いしても仕方ありません。

 そして、友達と一緒に遊ぼうと思っても、少子化で子供の数自体が減っていることに加え、都会では、みんなが自由に集まれる場所もどんどん減っています。特に、不審者からの危険回避のため、最近の公園などでは園内の樹木の伐採が徹底されており「陰」になるような隠れる場所がありません。放課後、家にかばんを置き、近所の原っぱや空き地に飛び出していけば、誰か友達がいる。そこではリーダーとなる年上の子供が中心になって、その日の「遊び」を考える、新しい冒険にチャレンジする──そういったことが難しくなってきているのです。

 忙しいスケジュールに支配された子供たちは、遊ぶ時も、まず友達のスケジュールを電話で確認して「アポを取る」ところから始めねばなりません。せっかくみんなが集まっても、身体を動かして遊ぶ、冒険する場所がないから、家の中でゲームをしたりマンガを読んだりするほかないのです。これでは大事な「感性」が育つはずがありません。

 子供のころに本来、やっておかねばならない経験を積んでいないため、コミュニケーション能力は十分ではなく、子供同士の“オキテ”も知りません。だから、相手が自殺するまでひどい「いじめ」を繰り返したり、ケンカをしても、いきなりナイフで相手を刺し殺したりするような悲惨な事件が起こってしまうのです。

 これらのことは大人の責任なのです。

 生後間もなく可愛いうちに、売れ残らないようにと、親兄弟から学ぶ「オキテ」も学習せぬまま売られていく子犬にも同様なことが起きています。兄弟同士でケンカも体験せず、親犬からの(しつけ)もない子犬は、飼い主やほかの犬にも噛みつきます。こういう犬が増えているのです。

 これは明らかに経済至上主義から由来する現象ではないでしょうか。兄弟が増えるとお金がかかるから一人っ子になる、ペットが売れ残ると損失になる、親が共働きをしなければ欲しいものが買えないなどです(一人っ子政策と経済自由主義を国策とする中国の子供たちの問題や環境汚染の問題も、日本に増して深刻な状態に至っています)。

 人もペットも生まれたばかりの時にはみんなが天使のようですが、育つ環境次第で非道にも、慈愛に満ちた大人にもなり得るのです。

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