食事も終えて、やっとひと息ついたAさんは、持参のクーラーボックスかから缶ビールを取り出し、星空の下で「グビっ、グビ」。「ああ、自然の中で飲むビールはおいしいなぁ。これぞ、キャンプの醍醐味だよ」と、独り言を言いながらAさんは、ご満悦の様子。二本、三本と空き缶を増やしていきました。
ところが、次第に身体がぶるぶると震え出すではありませんか。それもそのはず、キャンプ場は標高一二〇〇メートルの高地。昼間は暖かくても、陽が落ちれば急速に気温が下がっていきます。しかも、ゴールデンウィークの季節は、特にその傾向が強い。一二〇〇メートルの高地なら、昼間は「初夏」でも夜は「冬」なのです。