夏休みに、お父さんと海辺のキャンプ場へ出掛けた小学五年生のB君(一一歳)の話です。
海辺のキャンプ場ですから、ヨットやボート、ウインド・サーフィンなど、を使った海洋プログラムは何でもそろっています。初心者にはリーダー(指導者)がついて、安全面をケアしながら、ていねいに指導してくれます。
B君もヨットやボートに乗って、楽しい時間を過ごしました。ただ、ちょっと物足りません。それは、「自分の力でやり遂げた」という達成感が無かったせいかもしれません。
そんなB君の目に、キャンプ場の対岸約五〇〇メートルの距離にある小さな「無人島」が映りました。