次は、子供の興味を、お父さんがちょっとサポートし、より大きな関心につなげた、というケースです。
場所は、都市近郊の里山のキャンプ場。ゴールデンウィークの連休を利用して、小学四年生のC君(一〇歳)は、お父さんと一泊のキャンプに来ています。
そのキャンプ場の周辺は住宅街で、都心へ通う人たちのベッドタウンとして開発されました。C君一家もそこに住んでいます。
ただ、一〇年ぐらい前までは、雑木林が広がる里山で、今でもちょっと住宅街を外れると、豊かな自然が残っているのです。キャンプ場もそんな一角にありました。
「クェーン、クェーン」
耳慣れない動物の鳴き声を最初に聞いたのはC君でした。