わが国の戦後政治を振り返ると、民主主義国家とは思えないほどの“異常事態”が長期にわたって続いていたことが分かります。民主主義国では、議会制民主主義を守るというのが最低限のルールですが、マルクス主義の影響を受けた社会党が戦後のかなりの期間、野党第1党の地位にありました。マルクス主義はご存じのように、基本的に、暴力革命を肯定し、議会制民主主義を否定する立場にあります。
議会制民主主義を厳格に守る政党が、政権の座をめぐって争うというのが、民主主義国家本来の姿です。それゆえ、戦後体制のなかで、社会党は排除されても不思議ではなかったのですが、不幸にも、国政選挙では一定の議席を獲得することができました。