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貴流 心氣体
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はじめに

『貴流 心氣体』
[著]貴乃花光司 [発行]扶桑社


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「心 体」――この本を手に取った方は、きっとこう思うことでしょう。
「“心技体”の間違いでは?」と。
“心技体”は、格闘技のみならず、多くのスポーツで唱えられており、一般的な標語として定着しています。

 しかし、「心」と「体」を「技」がつないでいるというのは、本来おかしな話です。

 そもそも、「技」とは体を鍛えた末に生まれ、体が技を覚えるものですので、「技」と「体」は本来同じものということができます。
“心技体”のほうが一般では知れ渡っていますが、大相撲の世界で昔から伝えられているのは、「心 体」でした。

 これは相撲修行によって心を鍛え、氣を養い、体をつくり上げることを説いた言葉。

 大横綱と呼ばれる多くの先達は、常に平常心を保ち、悠然と立ち会いながら、その内側では闘志をたぎらせていました。そして、ゆがみのない体で相手を受け止め、多くの勝ち星を上げていました。

 その姿を思い浮かべれば、「心 体」とはどういうことなのか、おわかりいただけるのではないでしょうか。

「心」と「氣」について、ちょっとご説明しましょう。


 食べたいときに食べ、眠りたいときに眠る。嫌なことはやらず、やりたいことや好きなことだけをやる。

 こうした行いを、「心のままに生きる」ということはできるでしょう。

 しかし、自分の欲望のみに忠実に、心のままに生きていたら、その結果もたらされるのは自堕落な生活、不健康な肉体、周囲に与える多大な迷惑です。

 それを知っているからこそ、人は「起きたくないけれど、起きよう」「もっと食べたいけれど、このくらいにしておこう」「面倒くさいけれど、片づけよう」と“気合い”を入れます。

 あるいは、本当はやりたくないことでも、気持ちを切り替えて、やり遂げるよう努力します。

「心」とは、ありのままの思いです。

 そこには、「面倒くさい」「やりたくない」「苦労はしたくない」というネガティブな思いがたくさん含まれています。

 しかし、小さな子供ならいざ知らず、大人はこのようなわがままが通らないことを知っています。

 だから、「面倒くさい、やりたくない、苦労しそう。だけど、やらなければならないから、やる」のです。

 このときに必要になってくるものこそが「氣」なのではないでしょうか。

 やりたくないけれど、やらなければならないとき、人は「よし、やるぞ!」と気合いを入れます。

 ともすれば怠けたい「心」に反して「体」を動かすときに、必要なのは「氣」なのです。


 しかし、「よし、やるぞ!」と気合いを入れても、長続きさせるのは大変なこと。

 気合いを入れて決めたことでも、いつしか「面倒くさい、やりたくない」という心に引っ張られ、いつの間にかやらなくなってしまう……。それが「三日坊主」です。

 気合いが心に負けてしまうと、自己嫌悪に捕われてしまうようになります。


 こうしたことが多くなりがちなのは、体づくりに関することではないでしょうか。

 いま、自分の体に心から満足している人はどれほどいるのでしょうか。

 飽食の現代、「もう少しやせたい」と思っている人は多いのではないでしょうか。
「やせる」ということは、見た目だけの問題ではありません。

 メタボリック症候群を持ち出すまでもなく、多くの場合、やせて適正な体重を維持することが健康につながります。

 健康のためにも、余分な脂肪は取り、筋肉をつけるための体づくりは、現代人にとって必須となっています。

 しかし、それを理解していても、多くの人は体づくりに挫折していきます。
「脂っこいものは食べないと決めたのに……」
「やせるために運動を始めたのに……」
「お酒はもう飲まないと決めたのに……」

 体づくりに挫折する人は、皆こうした後悔の思いを持っているように思えます。

 その結果、「自分は意志が弱いので、ダイエットは無理」という自己嫌悪に陥ったり、「もう若くないのだから、別にやせていなくてもいい」と開き直ったりするのです。


 もし、自分の心から「面倒くさい」「やりたくない」「苦労したくない」というネガティブな思いを追い出すことが可能なら、どうでしょう。

 そうすれば、体づくりはいま思っているよりもずっと簡単になっていきます。

「運動はつらい、苦しい」という思いを「運動すると、気持ちいい」に。
「食べたいけれど、我慢しよう」という思いを「いまは食べなくてもいいや」に。
「氣」で「心」のありようを変えることが、重要な鍵なのです。


 運動や正しい食事は、一生続けていくこと。

 だからこそ、「我慢」や「無理」は禁物です。

 緊張し続けることは、不可能です。我慢や無理が続くと、きっとその反動が来て、最初の決意が消し飛んでしまうもの。それは、多くの人が経験しているのではないでしょうか。


 本書には多くの方が健康的な体を手に入れていただくために、私が相撲を通して得た「心 体」を詰め込みました。

 本書を通して健康な体を維持することの大切さや運動の楽しさ、そして「相撲」という優れた技の集合体をより深く知っていただければ幸いです。
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