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プレッシャーを味方にする心の持ち方
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生き方・教養
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7章 「思考のストック」を増やしていく

『プレッシャーを味方にする心の持ち方』
[著]清水宏保 [発行]扶桑社


読了目安時間:15分
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■どこで決断すればいいのか

 

 ご存じのように、スケートは個人競技ですから、練習にしてもレース展開にしても、自分一人で判断することができました。練習も同様に、コーチと協議することやコーチの指示を仰ぐことはありますが、行うのは私一人。つまり、一人の決断や行動で周囲を変えていくことができました。

 しかし現在のビジネスは、一人だけではできないことが多い。経営というものは、最終的には一人の決断にゆだねられるものですが、考慮しなければならないことが数多くあります。

 しかし私には、経営面での経験値がまず少ないので、「どこで決断すればよいのか」「どのような戦略を立てて、どこでその戦略の組み直しをすればよいのか」などが、わかりません。しかし仕事を続けていく中で、まだ絶対量は少ないとはいえ、さまざまな経験から、いろいろな「思考のストック」ができてきたように思います。

 


 
■「思考のストック」とは何か

 
「思考のストック」とは、次のようなことです。

 現役時代は、練習においても、試合においても、さまざまなトラブルを想定して、それに対する対応策を用意していました。頭の中でシミュレートするためのレパートリーを数多く持っていたので、次々に現れる困難な事態に対して、素早く対応することができたのです。

 例えば、私は出場できなかったのですが、2010年のバンクーバーオリンピックで、試合会場の製氷機が壊れてしまって、レースが予定よりも1時間も遅れるということがありました。選手は1分単位でレースの準備をしていくので、これほどの遅れになると、その後出場する選手はコンディションやメンタル面での調整が大変になってくる。私はそれを会場で見ていて、「ああ、選手たちは、今、大変な状態になっているだろうな」と思いました。コーチ陣は慌てふためいているし……。こんなときこそ周囲のスタッフは冷静でなければ選手たちにも動揺が伝わってしまいます。

 実は、私が出場した'98年の長野オリンピックのときにも、同じようなことがあったのです。何組か前のレースで、選手が転倒して骨折してしまったのです。そのため、私が出場するレースの開始が、40分から50分遅れることになりました。それまでにそんな事態に遭遇したことがなかったので、このときは正直言って焦りました。でも、一度靴を脱いで(くつろ)ぐことで、気持ちを落ち着かせることができた。スタッフも慌てていましたが、私は他人事のように冷静な目で見ていたのです。

 前述の「客観視」ではありませんが、もう一人の自分が幽体離脱のように離れたところから自分の状態を見て、最善の対処法を考えていたからです。
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