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(2021/11/26 追記)

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我が愛と青春のたけし軍団
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エンタメ
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ライムライト企画

『我が愛と青春のたけし軍団』
[著]たけし軍団 [発行]_双葉社


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 俺が東京に出てきたのは21歳のとき。いまから30年以上前のこと。


 あのときは俺、「芸人になろう」なんて気はまったくなかった――。


 


 21歳の頃の俺は、きちんとした定職っていうのも持ってないような状況で、地元の静岡でプラプラしていた。知り合いの板さんの紹介で、地元の観光地のホテルとか温泉旅館で板前修業とまではいかないバイト感覚で調理場を手伝わせてもらったり。まあ言ってみれば、結構いい加減な気持ちで、バイトに毛が生えたような仕事しては遊んでる気楽な生活。


 地元の仲間では、みんなの中心になってワイワイおもしろいことやってるような感じで、“素人のおもしろいヤツ”ではあった。親父と仲がいい知り合いの日本舞踊の先生が若い連中を集めて地元の伝統芸能“伊豆太鼓”を叩くグループを作ったときも、俺がその中心になったり。まっとうな仕事はしてないけど、地元の若者たちの中心グループにいた。そんな感じだった。


 そんな俺に、ある日、その日本舞踊の先生から声がかかった。

「タカちゃんさ、弟が東京で芸能プロダクションをやってるんだけど、一度会ってみてくれない? 弟のプロダクションの手伝いに行ってほしいんだよ」


 俺もかわいがってもらってたその日舞の先生の弟っていうのが、東京の芸能プロダクションから独立して、自分で事務所を作ったらしい。「ライムライト企画」っていう事務所で、そこには当時、セントルイス(星セント・ルイス)を筆頭に、ゆーとぴあ、レオナルドになる前の確かラッキーパンチの頃の熊さんと、石倉三郎さんもいたかな? あと、女の子3人組のあらんどろんもいた。


 社長(日舞の先生の弟)には、その人たちとは別に「若いお笑いタレントも発掘していきたい」っていう意向があって、兄貴(日本舞踊の先生)に、「誰か、おもしろいヤツいない?」みたいなことを聞いたらしい。それで思いついたのが俺。

「事務所の手伝いが欲しいっていうから一度会ってみてよ」


 まあ俺も別にちゃんとした仕事してるわけでもないし、わざわざ静岡まで会いに来てくれるっていうし、そう言うならとりあえず一回会ってみるかと、軽い気持ちで社長に会ってみることにした。


 さすがに弟だけあって日舞の先生にどことなく似ていて、人の良さそうな顔をしたその社長は俺に会うと、たいした話もしてないのに、

「よし、とりあえず東京に来て!」


 そう言われた。

「お父さんとお母さんに話すなら俺が説明しに行ってあげるから」


 そもそも親父もお袋も、俺が何をしようが気にするような親じゃない。

「それじゃ、来月までに東京に出てきて」


 社長の中では、もう勝手に俺が東京に出てくるもんだと思ってるらしい。まあ、俺もいつまでも地元でプラプラしてても仕方ないし、なんかおもしろいことないかって、いつも探してるようなところもあったし、

「じゃあ行ってみるかな」


 そんな軽い気持ちだった。まさか自分が「タレント候補」だとは、これっぽっちも思わずに。

「まあ、事務所のちょっとした手伝いだし、キツかったら帰ればいいや」


 その程度のほんの軽い気持ち。そもそも俺、お笑いに興味なかったし。セントルイスだって「田園調布に家が建つ!」で売れてたけど、俺はほとんど知らなかった。

「東京の芸能プロダクションっていうのは、どんなことやってるのか見てやろう。タレントもいるみたいだし」


 ほとんど野次馬根性的な軽い気持ちで、

「ちょっと東京に行ってくるわ!」


 そうやって上京したのが1978年、俺がまだ21歳のとき。


 だからまあ、半分騙されたようなもんだよね。“芸人になる”なんて全然知らないで東京に出てきたんだから。

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