おおよそ、表現を生業とするためには、なにか壮大な目標や自負も、不必要なものとしてそぎ落とさなければならないと、私は考える。
もし、マンガ・アニメの存在理由があるとすれば、笑わせ、感動させ、淫猥にさせることだけでいい。作り手がやるべきことは、限られた時間と収入の中で、自分の作品を手に取ってくれた人に、一人でも多くの人に満足感を与えることができる作品を生み出すことにある。世間の評判だとかは、その後についてくる些末なものなのだと看破しなければならないだろう。
作り手には社会的地位の高いエリートであるかのような錯覚はいらない。常に、今いるところよりも一段下へと降りていく努力がなければ、作品はあっという間に飽きられて、見向きもされないものになってしまうだろう。